医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
弁護士鈴木が力を入れている指導監査に関するコラムです。
ここでは、四国厚生支局の医科の個別指導での指摘事項(検査、画像診断、病理診断、投薬、注射、リハビリテーション)についてご説明を致します。 指摘事項は、四国厚生支局の公表資料「平成27年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項(四国厚生支局,平成28年3月)」に基づいています。
個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談を強くお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。
指導監査のコラム
1 個別指導と監査の上手な対応法
T 保険診療等に関する事項
6 検査
(1)検査について不適切に実施されたものが認められた。検査は個々の患者の状況に応じて必要な項目を選択のうえ段階を踏んで実施することとし、必要最小限の回数で実施すること。
(2)検査の必要性が診療録から読み取れない、又は検査の結果の考察がない例が認められたので改めること。
(3)算定要件を満たさない又は不適切に算定された検査の例が認められたので改めること。
@ 呼吸心拍監視
・ 観察した心電曲線、心拍数のそれぞれの観察結果の要点の診療録への記載がない例が認められた。
A 腫瘍マーカー
・ 診療録の記載内容から悪性腫瘍の患者であることが強く疑われる者以外に対して実施されている例が認められた。
・ 悪性腫瘍の診断が確定した患者に対して、腫瘍マーカー検査及び当該検査に係る検体検査判断料が算定されていた。
7 画像診断
算定において、不適切な例が認められたので改めること。
・ 写真診断について、診療録に診断内容の記載がない例が認められた。
8 病理診断
算定において、不適切な例が認められたので改めること。
・ 病理学的検査に基づく病理判断の要点を診療録に記載していない例が認められた。
9 投薬・注射
算定において、不適切な例が認められた。投薬・注射に当たっては、療養担当規則第20条を遵守し、薬剤を使用するに当たっては、その必要性を十分に考慮した上で、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律承認事項(効能・効果、用法・用量等)を遵守し、適宜、治療効果判定を行い、漫然と投与することのないよう注意すること。
@ 禁忌投与の例
・ 高齢者に対するメトホルミン塩酸塩錠の投与
・ 消化性潰瘍のある患者に対するロキソニン錠の投与
A 適応外投与の例
・ 逆流性食道炎に対して1日1回20mgを8週間までとなっているネキシウムカプセル20mg1カプセルを、適応外の8週間以上、逆流性食道炎の患者に対して投与
・ テプレノンカプセルを胃潰瘍、急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期以外の患者に対して投与
B 用法外投与の例
・ 耐性乳酸菌製剤(ビオフェルミンR錠)を抗生物質等を投与していない患者に対して投与
C 長期漫然投与の例
・ ノイロビタン配合錠の投与
・ ハフトロン静注0.5g とグラビタン10 注射液の静注投与
D 重複投与の例
・ 重複投与の処方せんを交付していた(カルブロック錠とアムロジピンOD錠)。
・ 同一の患者に対して、同一診療日に、院内処方による投薬と院外処方による投薬
E ビタミン剤に係る薬剤料について、当該ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨が具体的に診療録に記載されていない例が認められたので、ビタミン剤に係る薬剤料を算定する場合には、当該ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨を診療録に記載すること。
F 経口と注射の両方が選択可能な場合には、経口投与を第一選択とすること。
G 投薬について、算定要件を満たしていない例が認められたので改めること。処方せん料(「注4」特定疾患処方管理加算、「注5」長期投薬加算)
・ 生活習慣病等の厚生労働大臣が別に定める疾病を主病としない患者に対して、特定疾患処方管理加算及び長期投薬加算を算定していた。
・ 長期投薬加算について、特定疾患に対する薬剤の処方期間が28日未満であるにもかかわらず算定していた。
10 リハビリテーション
(1)訓練の記録について不適切な例が認められたので改めること
・ 機能訓練の内容の要点及び訓練の実施時刻(開始時刻と終了時刻)の記載がない例が認められた。
(2)実施計画の説明について、不適切な例が認められたので改めること。
・ 疾患別リハビリテーションの実施にあたっては、開始時及びその後3か月に1回以上、リハビリテーション実施計画を作成のうえ、患者に対して当該実施計画を説明し、説明の要点を診療録に記載しなければならないことに留意すること。
(3)適応及び内容について、不適切な例が認められたので改めること。
・ 在宅患者訪問診療料を算定している日において、医師が患家を訪問し自ら行ったリハビリテーションについて、疾患別リハビリテーション料を算定していた。
・ リハビリテーションの適応に乏しい患者に実施された例が認められた。
・ 実態として処置(消炎鎮痛等処置・マッサージ)とみなされるものについて算定していた。
(4)実施時間が不足している例が認められたので改めること。
・ 20 分以上の個別療法が実施されていない算定例が認められた。
(5)リハビリテーションの起算日について、実際の発症年月日・手術日を記載すること。
・ 他の保険医療機関へ転院する前から実施していたリハビリテーションについて、新たに転院先から再入院した日をリハビリテーションの開始日にしていた。
・ 廃用症候群に対する脳血管疾患等リハビリテーションについて、廃用をもたらすに至った要因となる疾患の発症以前からADL全介助レベルの状態にある患者に対して、新たに発症したとして、早期リハビリテーション加算及び初期加算を不適切に算定している例が認められた。
(6)職員1人あたりの実施単位が超過している例が認められたので改めること。
・ 1週間(日〜土)で108単位を超過している。
・ 算定する単位数は、リハビリテーションが行われた実際の実施時間に基づき算出すること。
(7)リハビリテーション総合計画評価料について、算定要件を満たしていない例が認められたので改めること。
・ リハビリテーション総合実施計画書を多職種が共同で作成したことが確認できる様式に改めること。
・ リハビリテーション総合実施計画書において、必要項目を記載していない例が認められた。
・ リハビリテーション総合計画書の写しが整理され、診療録に添付されていない例が認められた。
(8)摂食機能療法について、必要事項の診療録への記載が不十分な例が認められたので改めること。
・ 訓練の記録について、訓練の開始時刻・終了時刻の記録が画一的である。
個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、お電話を下さい。個別指導、監査への対応方法をアドバイス致します。