医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
弁護士鈴木が力を入れている医院法務に関するコラムです。
ここでは、関東信越厚生局の医科の個別指導での、処置、手術、麻酔、病理診断、看護、食事、院内掲示、一部負担金、領収証等に関する代表的な指摘事項についてご説明を致します。 指摘事項は、関東信越厚生局の公表資料「平成26年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項」に基づいています。
個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談を強くお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。
指導監査のコラム
1 個別指導と監査の上手な対応法
精神科専門療法
〇 入院精神療法の算定において、不適切な例が認められたので改めること。
・ 入院精神療法(I)において、診療録に当該療法に要した時間の記載がない。
・ 診療録に、実施内容の要点の記載がない。
〇 通院・在宅精神療法の算定において、不適切な例が認められたので改めること。
・ 診療録における要点の記載がない、又は、乏しい。
・ 診療録に、当該診療に要した時間の記載がない。
〇 精神科ショート・ケア、精神科デイ・ケアの算定において、不適切な例が認められたので改めること。
・ 診療に要した時間が、明確に記載されていない。
・ 診療計画書の作成が不備。
処置
〇 診療録に処置の範囲、部位等の記載が不十分である例が認められた。
〇 消炎鎮痛等処置の算定において、診療録の記載がない例が認められたので改めること。
〇 皮膚科軟膏処置において、その範囲・部位等の記載に不備がある例が認められたので改めること。
〇 適時効果判定が行われずに消炎鎮痛等処置が漫然と行われている例が認められたので改めること。
※ 請求事務(診療報酬明細書作成)に係る事項
・ 創傷処置において、範囲・部位の記載が不十分
〇 人口腎臓の障害者等加算
・ 障害者等加算を対象でない患者に対して算定している。
手術
〇 手術に係る算定において、不適切な例が認められたので改めること。
・ 手術内容の記録に不備がある。
・ 同一手術野に対して行った二つの手術をそれぞれ算定。
〇 手術において、手術説明書の記載に不備がある例が認められたので改めること。
※ 請求事務(診療報酬明細書作成)に係る事項
・ 皮膚・皮下腫瘍摘出術を皮膚、皮下、粘膜下血管腫摘出術で算定。
麻酔
〇 麻酔管理料の算定において、診療録に麻酔科標榜医による術前・術後の診療に関する記載がない例が認められたので改めること。
〇 麻酔に使用する薬剤において、適応、用法、用量等の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律承認事項が遵守されていない例が認められたので改めること。
〇 地方厚生局長に届け出ている医師以外の麻酔科標榜医が麻酔管理を行っている。
病理診断
〇 病理判断料の算定において、病理学的な結果に基づく病理判断の要点の記載がない、又は乏しい例が認められたので改めること。
看護
看護管理・病棟管理
・ 看護管理日誌及び病棟管理日誌に看護要員の勤務状況等が適切に記録されていない。
・ 看護管理日誌に個々の患者を観察した事項及び実施した看護の内容等が記載されていない。
・ 看護基準が、作成されていない。
看護記録・看護計画
・ 看護計画が具体的でなく、また、個々の患者の症状に応じた記載になっていない。
・ 指示変更の伝達規程を整備すること。
付添看護
・ 家族付添における許可基準が作成されていない。
外出・外泊
・ 外出・外泊における許可基準が作成されていない。
食事
〇 告示・通知に基づき実施されていたが、不十分な例が認められたので改めること。
・ 特別食加算、特別食の食事せんに患者の基本的な情報が記載されていない。
事務的取扱いに係る事項等
診療録の様式、取扱い
〇 診療録の様式が、定められた様式に準じていない例が認められたので改めること。
・ 労務不能に関する意見欄がない。
・ 業務災害又は通勤災害に関する欄がない。
・ 診療の点数等欄がない。
〇 保険診療の診療録が、自費診療の診療録などの「他の診療録と区別して整備」されていない例が認められたので改めること。
〇 電子媒体による保存に際し、運用管理規程がない、又は、改訂が行われていない例が認められたので整備すること。
〇 電子カルテについて、個々のID、パスワードが設定されていない例が認められたので改めること。
届出事項等
〇 届出事項の変更届を提出していない例が認められたので改めること。届出事項に変更があった場合は、速やかに厚生局各事務所に届出事項の変更届を提出すること。
・ 管理者、標榜診療科名、診療日、診療時間の変更
・ 保険医等の異動(転入・転出)(常勤・非常勤)
・ 病床数の変更
院内掲示
〇 院内掲示を適切に行っていない例が認められたので改めること。
・ 保険医療機関である旨の表示がない。
・ 施設基準に関する届出事項について掲示していない。
・ 厚生労働大臣が定める掲示事項等に定める事項について掲示していない。
(保険外負担に関する事項、特別の療養環境の提供に関する事項、入院期間が180日を超える入院に関する事項)
特別の療養環境の提供に係る事項
〇 患者からの同意書を徴していない例が見られた。
〇 患者の同意文書の説明者名が記載されていない例が認められたので改めること。
〇 入室日以降に同意の確認を行っている例が認められたので改めること。
〇 小机及び椅子が設置されていない例が認められたので改めること。
保険外負担
〇 保険外負担の徴収について、「療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」を参考にして、さらなる適正化を図ること。
〇 不適切な保険外負担の例が認められたので改めること。
・ 処置費用に含まれるテープ、オプサイト
・ 患者の希望によらないおむつ代、病衣代
・ 注射の容器代、ギブス(キャストライト)、バストバンド、三角巾、職員による理髪代
一部負担金に係る事項
〇 一部負担金の取扱いが適切でない例が認められたので改めること。
・ 患者、従業員、家族等からの未徴収。
・ 一部負担金に計算誤りが見られたので、的確に計算すること。
領収証
〇 患者から費用の支払いを受ける時は、患者から請求された場合に限らず、個別の費用ごとに区分して記載した領収証を発行すること。
個別指導、監査に臨む医師の方は、お電話下さい。個別指導、監査への対応方法を弁護士がアドバイスします。