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死亡した患者の診療報酬請求、コンタクトレンズの診療報酬の不正請求の実例です。個別指導、監査にお悩みの医師の方は、指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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4 保険医療機関、保険医の取消の実例(4)

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、死亡した患者の診療報酬の請求、コンタクトの不正請求での保険医療機関の指定の取消、保険医の登録の取消の実例をご紹介します。平成27年10月付及び平成27年7月付の取消処分であり、厚生労働省近畿厚生局の公表事例です。説明のために、簡略化等をしています。

個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】個別指導と監査の上手な対応法


死亡している患者の診療報酬請求


 監査を行うに至った経緯

厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、監査に至る経緯は以下のとおりです。

1 個別指導の実施に至る経緯

平成22年3月9日、八尾市から大阪府を通じて近畿厚生局指導監査課に対し、当該医療機関を受診しなくなったにもかかわらず、医療費通知に毎月受診したように記載されている旨の情報提供が被保険者からあったこと及びレセプトを点検した結果、死亡しているにもかかわらず、その後も毎月、診療報酬が請求されているとの情報提供があった。

2 個別指導の中断に至る経緯

平成25年1月10日、個別指導を実施したところ、氏名等の欄が切り取られた検査結果票が診療録に貼付されている事例が散見されたことについて、医師から明確な回答がなかったため個別指導を中断した。

3 個別指導の再度の中断に至る経緯

平成25年5月29日、個別指導を再開したところ、検査会社からの検査の請求明細書で実施が確認できない検査及び医薬品納品伝票で購入が確認できない薬剤の診療報酬が請求されていたことから個別指導を中断した。

4 個別指導の中止、監査に至る経緯

平成25年12月12日、個別指導を再開したところ、医師は実際に診療していないにもかかわらず、診療したものとして診療報酬を不正に請求したことを認めたことから、個別指導を中止し、平成26年3月14日、6月20日、平成27年1月16日及び2月23日に監査を実施した。

 取消処分の主な理由

厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、取消処分(取消相当)の主な理由は以下のとおりです。

1 架空請求

実際には行っていない保険診療を行ったものとして、診療報酬を不正に請求していた。

2 付増請求

実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。

 診療報酬の不正、不当請求の金額

厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、監査において確認した不正、不当請求に係るレセプト件数及び金額は、以下のとおりです。

平成21年1月〜平成24年12月

 不正請求 25名分 レセプト 177件 75万0824円
 不当請求 24名分 レセプト 192件 41万4739円
 ※ 監査において判明した分以外についても、
   不正・不当請求のあったものについては、
   監査の日から5年前まで遡り、
   保険者等へ返還させることとしている。
   原則として、
   指定の取消相当及び登録の取消相当の日から5年間は、
   保険医の再登録及び保険医療機関の再指定は行わない。

コンタクトレンズの不正請求


 監査を行うに至った経緯

厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、監査に至る経緯は以下のとおりです。

1 厚生労働省職員の収賄事件に関する不正請求の疑い

厚生労働省職員の収賄事件に関連して、平成22年10月に大阪府警察本部から厚生労働省に対してコンタクトレンズ処方に係る診療報酬の請求方法の適否について照会があり、コンタクトレンズ装用を目的に受診した患者に対してコンタクトレンズ検査料を算定せず、他の眼科学的検査料を算定するという方法により、不正請求(振替請求)を行っている保険医療機関の存在が疑われた。

2 不正請求を行う保険医療機関の特定

その後、当該請求方法は、ある特定の会社(以下「特定会社」という。)が関係するコンタクトレンズ販売店に近接した眼科診療所のものであることが確認された。

3 監査に至る経緯

以上により、特定会社が関係するコンタクトレンズ販売店に隣接して開設された当該眼科診療所において、不正な診療又は診療報酬請求が行われていることが強く疑われたことから、監査を実施した。

 取消処分の主な理由

厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、取消処分(取消相当)の主な理由は以下のとおりです。

1 不正の概要:振替請求

実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。
@: 
コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に対して眼科学的検査を行ったものについて、本来、コンタクトレンズ検査料2で請求すべきであるにもかかわらず、個々の検査料を出来高で請求していた。
A: 
屈折異常で継続的に受診しているコンタクトレンズ装用目的の患者に対し、本来、再診料で請求すべきであるにもかかわらず、初診料を請求していた。また、このことにより、本来請求できない電子化加算も併せて請求していた。

コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に眼科学的検査を行った場合は、コンタクトレンズに係る診療を包括的に評価した、コンタクトレンズ検査料1(200 点)又は同検査料2(56点)を算定する。なお、コンタクトレンズ検査料を算定した場合は、他の眼科学的検査料は算定できない。

 診療報酬の不正、不当請求の金額

厚生労働省近畿厚生局の公表資料によれば、監査において確認した不正、不当請求に係るレセプト件数及び金額は、以下のとおりです。

平成21年10月〜平成22年8月

 不正請求 26名分 レセプト 56件 12万5342円
 不当請求 22名分 レセプト 34件    1722円
 ※ 原則として、指定の取消相当の日から5年間は、
   保険医療機関の再指定を行わない。


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指導、監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
死亡した患者の診療報酬の不正請求、コンタクトレンズの不正請求での取り消しの他、多数の実例をご紹介しています。
個別指導、監査の際に、また日常の医院運営、臨床などにご活用下さい。

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