診療報酬の不正請求（詐欺）で刑事事件の有罪判決になり、医師が保険医の取消処分となった実例です。指導、監査に臨む医師の方は、個別指導に強い弁護士にご相談下さい。

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。

ここでは、診療報酬の不正請求の刑事事件で詐欺の有罪判決（実刑で懲役３年６月）となった医師が、保険医療機関の指定の取消相当、保険医の登録の取消しとされた実例をご紹介します。令和元年６月付の取消事案であり、厚生労働省の近畿厚生局が公表した事例です。説明のため簡略化等をしています。

個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】個別指導と監査の上手な対応法

刑事事件の有罪判決（詐欺での実刑）での取消処分の実例

　１　取消処分及び取消相当の理由

近畿厚生局の公表資料によれば、取消処分及び取消相当の理由となる事実は以下のとおりです。

１　開設管理者の有罪判決の確定

開設・管理者である医師は、平成28年２月９日に詐欺罪で奈良地方裁判所から懲役３年６月の判決を受け、平成28年12月20日、最高裁判所において上告の棄却が決定され、刑が確定している。

２　保険医の有罪判決の確定

保険医である医師は、平成28年２月９日に詐欺罪で奈良地方裁判所から懲役３年６月の判決を受け、平成28年12月20日、最高裁判所において上告の棄却が決定され、刑が確定している。

　２　不正請求金額

判決書により確認した不正請求金額は、刑事裁判において認定された平成19年７月から平成24年12月診療分について以下のとおり。

・不正請求金額　185 件　31,590,139 円

なお、判決書により確認した不正請求金額以外についても、不正請求のあったものについては、保険者等へ返還させることとしている。

　３　再指定等

原則として、登録の取消の日及び指定の取消相当の日から５年間は、保険医の再登録及び保険医療機関の再指定は行わない。なお、当該保険医療機関は平成25年８月31日付で廃止していることから、指定の取消相当の取扱いとする。指定の取消相当の取扱いとは、指定の取消処分と同等の取扱いをするものである。

【根拠条文】
○　保険医療機関の指定の取消
　　　健康保険法第80条第８号
○　保険医の登録の取消
　　　健康保険法第81条第５号

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