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再指導での個別指導から患者の不正請求の情報提供で監査となった実例です。指導、監査に臨む医師の方は、個別指導に強い弁護士にご相談下さい。

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16 保険医療機関、保険医の取消の実例(16)

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、個別指導が再指導となり、再指導までの期間で不正請求を行ったとの情報提供があり、再指導での個別指導で医師が不正請求を認めたことから監査に移行し、保険医療機関の指定の取消相当及び保険医の取消しとなった実例をご紹介します。令和元年6月付の取消事案であり、厚生労働省の近畿厚生局が公表した事例です。説明のため簡略化等をしています。

個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】個別指導と監査の上手な対応法


再指導での個別指導が見込まれる中での不正請求の情報提供での監査


 1 監査に至る経緯

近畿厚生局の公表資料によれば、個別指導、監査に至る経緯は以下のとおりです。

1 個別指導の実施、再指導

平成28年6月29日に個別指導を実施したところ、本来、コンタクトレンズ検査料1で算定すべき患者に対し、各眼科学的検査を誤って出来高で算定していた例等が認められたことから、指導後の措置を再指導とした。

2 再指導前の情報提供

平成29年7月14日、健康保険組合から近畿厚生局指導監査課に対し、被保険者から領収書に記載されている金額より医療費通知に記載されている患者負担金額の方が明らかに高額である旨の相談があったと情報提供があった。

3 個別指導での不正請求の疑義

平成29年8月10日、個別指導を実施したところ、各眼科学的検査が出来高で算定されている患者について、診療録にコンタクトレンズ処方を延期する旨の記載があるものの処方延期の理由が記載されていない例が複数認められた。
また、診療録に処方内容が記載されており、処方せん料が算定されているにもかかわらず、調剤報酬の請求がない患者が複数認められた。
これらのことについて、医師から明確な回答が得られなかったことから、個別指導を中断した。

4 処方箋料の付増請求の自認

平成29年12月21日、個別指導を再開したところ、医師はコンタクトレンズ検査料1で算定すべき患者について各眼科学的検査を出来高算定していたこと、及び実際には処方せんを交付していないにもかかわらず、処方せん料を付増請求していたことを認めたことから個別指導を中止し、平成30年2月28日から同年8月27日まで計6日間の監査を実施した。

 2 取消処分などの主な理由

監査において判明した取消処分及び取消相当の理由となる主な事実は、以下のとおり。

1 付増請求

実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。

2 振替請求

実際に行った保険診療を保険点数の高い別の診療に振り替えて、診療報酬を不正に請求していた。

【再指定等】
原則として、登録の取消の日及び指定の取消相当の日から5年間は、保険医の再登録及び保険医療機関の再指定は行わない。

【根拠条文】
取消処分の根拠条文
○ 保険医療機関の指定の取消
 健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
○ 保険医の登録の取消
 健康保険法第81条第1号


 3 不正、不当請求金額

監査において判明した不正・不当請求金額は、監査で使用した平成25年2月分から平成29年10月分までのレセプトのうち以下のとおり。

・ 不正請求金額 14名分 169件 254,912円
・ 不当請求金額 1名分  1件  2,250円


なお、監査において判明した分以外についても、不正・不当請求のあったものについては、監査の日から5年前まで遡り、保険者等へ返還させることとしている。


個別指導、監査に臨む医師の方は、お電話下さい。再指導での個別指導への対応など、弁護士がアドバイスします。

個別指導、監査のコラム


指導監査(医科)のコラムの一覧です。
再指導での個別指導からの監査の他、多数の実例をご紹介しています。
個別指導、監査の際にご活用下さい。

 指導監査のコラム

1  個別指導と監査の上手な対応法

 保険医取消の実例紹介のコラム

1  保険医取消の実例:後発医薬品を先発医薬品とする不正請求

2  保険医取消の実例:診療報酬不正請求による逮捕と保険医取消

3  保険医取消の実例:検査結果の廃棄、保険適用外診療の不正請求

4  保険医取消の実例:死亡患者の診療報酬請求、コンタクトの不正

5  保険医取消の実例:鍼灸院や整骨院との不正請求、診療録の不作成

6  保険医取消の実例:監査の不出頭、カルテの改ざんによる取消処分

7  保険医取消の実例:無診察処方、無診察投薬による取消処分

8  保険医取消の実例:個別指導中の医師の入院と指導の延期

9  保険医取消の実例:個別指導の中断、中止、監査での取り消し

10 保険医取消の実例:架空請求の情報提供での保険医の取り消し

11 保険医取消の実例:廃止した医院への個別指導を経ない監査

12 保険医取消の実例:患者の情報提供による個別指導

13 保険医取消の実例:医師の名義貸しでの個別指導、監査

14 保険医取消の実例:無診察での不正請求

15 保険医取消の実例:無診察診療での個別指導

16 保険医取消の実例:再指導での個別指導からの監査

17 保険医取消の実例:刑事事件の有罪判決での保険医取消処分

18 保険医取消の実例:訪問看護ステーションへの個別指導

19 保険医取消の実例:子供の診療での不正請求

20 保険医取消の実例:14日後付け処方せんでの個別指導

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