医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
弁護士鈴木が力を入れている医院法務に関するコラムです。
ここでは、関東信越厚生局の医科の個別指導での、検査、画像診断、投薬、注射等に関する代表的な指摘事項についてご説明を致します。 指摘事項は、関東信越厚生局の公表資料「平成26年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項」に基づいています。
個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談を強くお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。
指導監査のコラム
1 個別指導と監査の上手な対応法
検査
〇 検査の算定で不適切な例が認められたので改めること。検査は個々の症状・所見に応じ、必要な項目を選択し、段階を踏み、漫然と実施することなく、その結果は適宜評価し治療に反映されたい。
必要性
〇 必要性のない、又は、乏しい検査の例が認められたので改めること。
・ 診療録にその必要性の記載がない。
(検査の例)
ヘモグロビンA1c、NT−proBNP、腫瘍マーカー、CEA、CA19-9、PSA検査、サイトメガロウイルス抗体、C反応性蛋白(CRP)
・ 適応傷病名がない患者に実施した検査。
(検査の例)
プロトロビン時間、梅毒血清反応、精密眼底検査
・ 検査が症状・所見等に応じて適正に行われていない。
(検査の例)
甲状腺刺激ホルモン、CEA、CA-19-9
・ 検査が画一的に行われている。
(検査の例)
腫瘍マーカー
〇 セット検査が認められ、不必要に多項目の検査を実施している例が認められたので改めること。必ず個々の患者の状況に応じて必要最小限の項目を実施すること。
回数過剰
〇 必要以上に実施回数が多い検査の例が認められたので改めること。
〇 過剰な検査が認められたので改めること。
その他
〇 検査の算定において、不適切な例が認められたので改めること。
・ 検査の必要性、結果及び結果の評価について、診療録への記載がない、又は、乏しい。
・ 呼吸心拍監視について、診療録に要点の記載がない。(観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数などの観察結果)
〇 健康診断と思われる検査の例が認められたので改めること。
〇 算定要件を満たさない検査が認められたので改めること。
・ 動脈血採取、ヘモグロボンA1c、シスタチンC
〇 院外で実施された検査
・ 尿沈渣(鏡検法)
画像診断
〇 画像診断の算定において、実施した画像診断の必要性、結果及び結果の評価について、診療録への記載がない、又は、乏しい例が認められたので改めること。
〇 画像診断が、症状・所見等に応じて適正に行われていないので改めること。
〇 画像診断管理加算の算定において、専ら画像診断を担当する医師として届出した医師以外が画像診断を行った例が認められたので改めること。
投薬
〇 投薬について、不適切な例が認められたので改めること。投薬に当たっては、その必要性を十分に考慮した上で、適応、用法、用量等の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律上の承認事項を厳守して使用すること。また、治療効果判定を行い、漫然と投与することのないよう注意されたい。
禁忌投薬
・ 高カリウム血症の患者に投与されたスピロノラクトン錠
・ コカール錠、バイアスピリン錠
適応外投与
・ ガスターD錠、パセトシン錠、フラビタン錠、マイスリー錠、ムコダイン錠
類似薬効の薬剤の重複投与
・ 「カロナール錠」と「PL配合顆粒」
・ 「アドエア250ディスカス」と「オンブレス吸入カプセル」
長期漫然投与(適宜効果判定が行われずに漫然と行われている投薬)
・ クラリスロマイシン錠、フロモックス錠、レポフロキサシン錠
特定疾患処方管理加算
※ 請求事務(診療報酬明細書作成)に係る事項
・ 厚生労働大臣が定める疾患を主病としない患者について算定。
その他
〇 投薬の算定において、診療録に必要事項の記載が乏しい例が認められたので改めること。
注射
〇 注射について、不適切な例が認められたので改めること。注射の使用に当たっては、その必要性を十分に考慮した上で、適応、用法、用量等の医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律上の承認事項を厳守して使用すること。
適応外使用
・ アデホス-Lコーワ注、アミノレバン点滴静注、ビタメジン静注用
用法外使用
・ ネオファーゲン静注20、アルツディスポ関節注
治療上の必要性がない、又は、乏しいあるいは不明確な注射
・ 必要性に乏しい薬剤が点滴注射に使用されている。
・ 同一薬効の薬剤の経口投与と注射の併用投与が行われている。
・ 類似薬効の薬剤の重複投与が行われている。
その他
〇 適時効果判定が行われずに、注射が漫然と行われている例が認められたので改めること。
〇 注射において、症状・所見等に応じて適正に行われていない例が認められたので改めること。
リハビリテーション
〇 疾患別リハビリテーションにおいて不適切な例が認められたが、適応を症状、所見に応じ、妥当適切に判断した上で施行し、漫然と治療することなく適宜効果判定を行うこと。
〇 疾患別リハビリテーションの実施に当たっては、医師は定期な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、定められた様式に準じたリハビリテーション実施計画を作成する必要がある。また、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録にその要点を記載すること。
〇 疾患別リハビリテーションにおける実施計画書の作成について、不適切な例が認められたので改めること。
・ 実施計画書が作成されていない、記載内容が乏しい、又は、記載されている内容が画一的。
・ 実施計画書に患者、家族等の印、又は、サインがない。
〇 疾患別リハビリテーションの算定において、不適切な例が認められたので改めること。
・ 個人別の訓練記録に、機能訓練の内容の要点を記載していない。
・ 診療録に機能訓練の開始時間及び終了時間の記載がない、又は、画一的。
〇 疾患別リハビリテーション料を算定するにあたり、標準的算定日数を超えて継続的に行う事について、評価及び計画の説明がない例が認められたので改めること。
〇 リハビリテーション総合計画評価料の算定において、不適切な算定が確認されたので改めること。
・ 総合実施計画書の記載内容が乏しい。
・ 多職種が共同してリハビリテーション総合実施計画を作成していることが明確になっていない。
※ 請求事務(診療報酬明細書作成)に係る事項
・ 廃用症候群の患者に対して行ったものを廃用症候群以外で算定。
〇 摂食機能療法
・ 実施計画書が策定されていない例が認められた。
・ 定期的な効果判定が行われていない例が認められた。
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