医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
弁護士鈴木が力を入れている医療機関の指導監査に関するコラムです。
ここでは、東海北陸厚生局の医科の個別指導での指摘事項(検査、画像診断、投薬、注射、リハビリテーション、精神科専門療法、処置、手術、麻酔)についてご説明を致します。 指摘事項は、東海北陸厚生局の公表資料「平成26年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項(東海北陸厚生局)」に基づいています。
医療機関への個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談を強くお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。
指導監査のコラム
1 個別指導と監査の上手な対応法
T 診療に係る事項
6 検査
◎ 検査は個々の症状・所見に応じ、必要な項目を選択し、段階を踏んで、必要最小限の回数で実施すること。
○ 検査について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ 医学的に必要性が乏しい検査。
・ 段階を踏んでいない検査。
・ 検査結果の評価を行っていない。
・ 重複とみなされる検査。
・ 画一的な検査を漫然と実施している。
・ 必要以上に実施回数の多い検査。(セット検査で指示しているため、不必要な検査項目を繰り返し実施している。)
7 画像診断
○ 画像診断について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ 医学的に必要性が乏しい画像診断。
・ 段階を踏んでいない画像診断。
・ 画一的な画像診断。
8 投薬・注射
◎ 投薬・注射の使用にあたっては、その必要性を十分に考慮した上で、適応、用法、用量等の医薬品医療機器等法の承認事項を遵守して使用すること。
禁忌投与
○ 次の禁忌投与の例が認められたので改めること。
・ 心不全の傷病名のある患者に対するアクトス錠30の投与。
適応外投与
○ 次の適応外投与の例が認められたので改めること。
・ 慢性肝炎以外の患者に対するアミファーゲンP注、エフエーミック注。
過量投与
○ 次の過量投与の例が認められたので改めること。
・ 軟膏及び湿布等の外用薬。
その他、投薬・注射
○ その他、投薬・注射について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断した趣旨を診療録に記載していない。
・ 適宜効果判定を行わず、長期漫然投与を行っている。
・ 多剤投与(同じ適応症に対して、成分又は作用機序が異なるもの。)を行っている。
・ 経口投与が可能であるにもかかわらず、注射による投与を実施している。
・ 外用薬の処方せんについて、「用法」 「用量」として、1日の使用回数、使用時点及び使用部位を記載していない。
外来化学療法加算
○ 外来化学療法加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ 抗悪性腫瘍剤等による注射の必要性等について文書で説明し、患者の同意を得て実施していない。
注射実施料
○ 精密持続点滴注射加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ 実施に係る記録がない。
・ 1時間に 30mLより速い速度で薬剤を注入しているものについて算定している。
9 リハビリテーション
◎ 疾患別リハビリテーションの実施にあたっては、医師は定期的な機能検査等をもとに、その効果判定を行い、定められた様式に準じたリハビリテーション実施計画書を作成すること。また、リハビリテーションの開始時及びその後3か月に1回以上、患者に対して当該リハビリテーション実施計画の内容を説明し、診療録にその要点を記載すること。
○ 疾患別リハビリテーション料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ リハビリテーション実施計画書を作成していない。
・ 開始時の実施計画の内容説明の要点を診療録に記載していない。
・ 標準的算定日数を超えて継続してリハビリテーションを行う患者のうち、月ごとにリハビリテーション実施計画書の作成が必要な患者について、当該実施計画書を作成していない。
・ 機能訓練の実施時刻を診療録等に記載していない。
・ 機能訓練の開始時刻と終了時刻の記載が画一的。
・ 医学的に最も適切な区分に該当する疾患別リハビリテーション料とは考えられない区分で算定している。
・ 医学的にリハビリテーションの適応に乏しい患者に対して実施している。
・ リハビリテーション実施のための計測のみを行ったものについて算定している。
・ 消炎鎮痛等処置とみなされるものについて算定している。
・ リハビリテーション総合実施計画書について、多職種(医師、看護師、理学療法士等)が共同して作成していない。
10 精神科専門療法
○ 精神科専門療法について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ 標準型精神分析療法について、診療に要した時間が 45 分を超えていない。
・ 標準型精神分析療法について、療法の要点及び診療時間を診療録に記載していない。
・ 認知療法・認知行動療法について、厚生労働科学研究班作成の「うつ病の認知療法・認知行動療法マニュアル」(平成 21 年度厚生労働省こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」
)に従って行っていない。
・ 心身医学療法について、療法の要点を診療録に記載していない。
・ 抗精神病特定薬剤治療指導管理料について、治療計画及び指導内容の要点を診療録に記載していない。
11 処置
○ 処置料について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ 算定できない点眼、洗眼、眼軟膏処置を創傷処置として算定している。
・ 創傷処置について、処置した範囲を診療録に記載していない。
・ 熱傷処置について、熱傷の深度及び症状・所見等を診療録に記載していない。
・ 口腔、咽頭処置について、処置内容を診療録に記載していない。
・ 消炎鎮痛等処置について、処置内容を診療録に記載していない。
12 手術
○ 手術について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ 同一病巣につき、2以上の手術を同時に行った場合の費用は、主たる手術の所定点数のみにより算定するが、それぞれの手術について、各々の点数を算定している。
・ 手術の通則の5及び6に係る施設基準を届け出ている保険医療機関について、手術を受ける患者への説明文書を診療録に添付していない。
13 麻酔
○ トリガーポイント注射について、次の不適切な例が認められたので改めること。
・ 必要性が乏しいものについて漫然と実施している。
・ 単なる皮内、皮下及び筋肉内注射をトリガーポイント注射として算定している。
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