医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
弁護士鈴木が力を入れている指導監査に関するコラムです。
ここでは、東北厚生局の医科の個別指導での指摘事項(血液化学検査、腫瘍マーカー、自己抗体検査、超音波検査、呼吸心拍監視、コンタクトレンズ検査料)についてご説明を致します。 指摘事項は、東北厚生局の公表資料「平成26年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項(東北厚生局,平成28年6月)」に基づいています。
個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談を強くお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。
指導監査のコラム
1 個別指導と監査の上手な対応法
6 検査料
検査について、不適切に実施された例が認められた。検査は、患者の個々の症状・所見に応じ、必要な項目を選択のうえ段階を踏んで必要最小限の回数で実施すること。
血液化学検査
@血液化学検査(10項目以上)について、ほぼ毎月実施しているが、医学的診断を根拠とせず、投薬の副作用確認が目的であれば、3〜4ヶ月ごとの実施とするよう注意すること。
A検査結果項目と請求項目の内容に不一致が認められたので改めること。
B血液学的検査において、「末梢血液像(自動機械法)」で算定すべき例を「末梢血液像(鏡検法)」で算定している例が認められたので改めること。
腫瘍マーカー
腫瘍マーカーの測定については、測定の条件等の算定要件を十分に確認すること。
感染症免疫学的検査
ヘリコバクターピロリ抗原定性の算定にあたり、内視鏡検査等で確定診断がなされていない患者に算定している例が認められたので改めること。
自己抗体検査
@初診時に行った「抗サイログロブリン抗体」は、「抗サイログロブリン抗体半定量」を行うよう改めること。
A抗シトルリン化ペプチド抗体定量について、算定要件を満たさない例が認められたので改めること。
血漿蛋白免疫学的検査
特異的IgE半定量・定量において、結果の評価を記載し診療に反映させること。
超音波検査
@結果評価の診療録記載を十分に行うこと。
A超音波検査結果に測定者及び評価者の署名のない例が認められたので、署名を行い責任の所在を明らかにすること。
呼吸心拍監視
@観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数のそれぞれの観察結果の要点を診療録に記載していない又は乏しい例が認められたので改めること。
A該当する患者に対して行った場合に算定できるものであるので、改めること。
経皮的動脈血酸素飽和度測定
対象患者以外の患者に算定している例が認められたので改めること。
平衡機能検査(頭位及び頭位変換眼振検査)
平衡機能検査の検査所見について、診療録に明確に記載すること。
コンタクトレンズ検査料
コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に対して眼科学的検査を行った結果、コンタクトレンズの装用を不可とした場合に、コンタクトレンズ検査料を算定している例が認められたので改めること。なお、この場合は、実際に行った眼科学的検査の所定点数を算定すること。
血液採取
血液採取(静脈)について、特定薬剤治療管理料(採血の費用は含まれる。)を算定している患者に誤って算定しているものが認められたので改めること。
関節穿刺
検査の所見の記載がない例が認められたので、検査結果を評価して診療に反映させること。
その他
@多数の疑い病名のもとに、検査を繰り返して実施している例が一部認められたが、検査結果が診療に反映されない検査については、健康診断的であるとみなされるので注意すること。
A検査について、診療録に検査結果の評価記載が乏しいものが認められたので、明確に記載すること。又、検査結果の評価については、診療録に速やかに記載すること。
B医学的に必要性が乏しい実施例が認められたので改めること。
例:入退院を繰り返している患者に対して、再入院時に再度実施した感染症検査
C検査について、いわゆるセット検査が認められたので改めること。
D検査において、設備の提供のみで、診察(問診、視診、触診、聴診)を行わない場合の診療報酬請求は、依頼元の医療機関との合議により依頼元への請求となるので留意すること。
E必要以上に実施回数の多い例、実際に行った回数とは異なる回数で誤って算定している例が認められたので改めること。
例:血液ガス分析 :末梢血液一般検査(2週に13回)
:HbA1c(月2回連月)
F外来迅速検体検査加算について、当日中に結果が判明しない又は当時中に結果を説明したうえで文書により情報を提供していないにもかかわらず算定した例が認められたので改めること。
7 画像診断
画像診断について、不適切に実施された例が認められたので改めること。画像診断は、個々の患者の状況に応じて必要な項目を選択し、段階を踏んで実施し、必要最小限の回数で実施すること。
コンピュータ断層撮影(CT撮影)
所見及び検査結果の評価を記載し診療に反映させること。
画像診断管理加算1
届出している常勤医師以外の医師が画像診断を行ったものに算定しているものが認められたので改めること。
画像診断管理加算2
@専ら担当する医師が読影していないにもかかわらず算定している例が認められたので改めること。
A専ら担当する常勤の医師からの読影結果の報告文書又はその写しがない例が認められたので改めること。
その他
@写真診断(他の医療機関で撮影したもの)について、診療録に診断結果の記載が乏しいものが認められたので改めること。
A前月に実施し保険請求を行った単純撮影(デジタル撮影)及び電子画像管理加算(単純撮影)について、当月に実施したものとして重複して算定している例が認められたので、保険請求を行う際は診療録の確認を十分に行うこと。
BMRI、MRI前検査について、それぞれの検査の必要性について診療録に記載すること。実施項目はルーチンとせず、患者個々の状態に応じ必要最小限とすること。又、検査結果の所見の記載に努めること。
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