医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
弁護士鈴木が力を入れている指導監査に関するコラムです。
ここでは、東北厚生局の医科の個別指導での指摘事項(入院時食事療養、入院時生活療養、診療報酬請求)についてご説明を致します。 指摘事項は、東北厚生局の公表資料「平成26年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項(東北厚生局,平成28年6月)」に基づいています。
個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談を強くお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。
指導監査のコラム
1 個別指導と監査の上手な対応法
17 食事
入院時食事療養(Ⅰ)又は入院時生活療養(Ⅰ)
①食事も治療の一環であることに留意すること。
②食事療養の内容については、医師を含む会議(栄養管理委員会)を定期的に実施し、検討を加えること。
③食事せんの記載事項について、乏しい例が認められたので、記載内容の充実に努めること。
④検査値が要件となる貧血食等の特別食の食事せんには、検査値等根拠を記入すること。
⑤特別食である減塩食は、一日当たりの食塩相当量を6g未満とすること。
⑥特別食加算の算定について、流動食は治療食に該当しないので改めること。
⑦特別食加算の対象となる検査数値について、初回算定時及びその後定期的に確認していない例が認められたので改めること。
⑧栄養管理委員会の議事録について、管理者(院長)の決裁を受け、適切に保存すること。
⑨検食は毎食、医師、栄養士(管理栄養士)により行い、その所見を検食簿に記載すること。
⑩検食簿の医師の所見欄について、記載が乏しいので積極的に記載し食事の質の向上に努めること。
⑪予定献立表について、常食のみならず特別食についても管理者(院長)の承認(決裁)を受けてから実施すること。なお、食事の提供が完了した後は、実施報告書(実施献立表)として保管すること。
⑫特別食の食事せんにおいて、病名と食種が合致していない事例が見受けられたので、改めること。
⑬病棟等の見やすい場所に、食事療養及び生活療養の内容及び費用に関する事項を掲示すること。
⑭栄養管理委員会において、医師の欠席が見受けられたので、参加に努めること
⑮食事せんについて、医師の署名欄は、医師が記載すること。また、食事せんを医師以外の者が代筆した場合は、医師が記載内容を確認し署名又は記名押印の上、発行すること。
⑯給食従事者の健康診断の受診状況を適切に把握し、健康管理を徹底すること。(非常勤職員を採用した際にも、健康診断の受診状況を適切に把握すること)
⑰栄養管理委員会について、委員会の規程を実態に合わせて見直すこと。
⑱栄養管理委員会の開催が委員会規程で定められた開催回数(年4回)より少ないので改めること。
⑲給食委員会について、医師の出席がないので出席しやすい曜日や時間などを検討し出席できる体制を整備すること。
⑳検食簿の記載漏れが見受けられたので改めること。
㉑食事せんについて、特別食加算の場合はその都度病名を記載すること。
㉒食事せんについて、指示した医師の氏名が漏れているものが見受けられたので改めること。
㉓患者食と職員食の帳簿が明確に区別されていない例が認められたので改めること。
㉔栄養部門が診療補助部門に位置づけられていない例が認められたので改めること。
㉕夕食が18時前に提供されている例が見受けられたので改めること。
㉖当該療養にかかる基準を満たしているとはいえないので、速やかに辞退すること。
㉗食事せんの発行が電子カルテシステム(又はオーダリングシステム)において行われているが、食事せんは医師が発行するものであるところ、医師以外の者が代行入力により作成した後、医師による確定操作(承認)が行われていない事例が確認されたので、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第4.2版」に準拠し適切に運用すること。
㉘食事せんに病名の記載のないものが散見されたので、記載を徹底すること。
㉙患者から特別の料金を徴収して提供する特別メニューの食事の提供をしているが、特別の料金の支払いに同意する旨の同意書の内容が不十分であることから、書式の見直しを行うこと。
㉚検食簿に記載する検食時間は、実際に検食を行った時間を記載すること。
㉛検食について、検食の実施時間が患者への食事提供時間後になっている事例が散見されたので、患者に提供する前に実施すること。
㉜検食簿の所見の記載は、実際に検食を行った者が記載すること。
㉝検食の実施について、検食は病院の医師、管理栄養士又は栄養士により行われるべきものであるが、特に管理栄養士が勤務しない土曜日、日曜日及び祝日の検食について、検食の記録が確認できなかったので、医師をはじめとした検食の実施体制を見直し、適切に実施するよう改善すること。
㉞喫食調査の実施結果は、給食委員会に報告し、給食内容に反映させること。
18 診療報酬請求
①診療報酬の請求にあたっては、審査支払機関への提出前に必ず主治医自らが診療録等と照合し、記載事項に誤りや不備がないか確認すること。
②審査支払機関からの返戻・増減点連絡票は、内容を十分に検討し、以後の診療や保険請求に反映させるとともに、診療部門と事務部門との連携を図り適正な保険請求に努めること。
③診療録の転帰の内容が診療報酬明細書に反映されていないので改めること。
④診療報酬請求事務について、算定要件の理解が不十分なため、請求時には診療録と診療報酬明細書を適切に照合し、記載事項に誤りや不備等がないか十分に確認すること。
例:傷病名欄に主傷病が記載されていない。
:診療録に記載のない傷病名が記載されている。
:診療録に記載のある傷病名が記載されていない。
:同一傷病名の診療開始日が月ごとに異なっている。
:自動算定が行われることのないようシステム上の確認を行うこと。
:診療録の様式第1号(1)の3の記載について、診療日ごとに点数内訳を記載すること。
⑤保険医をはじめとする保険医療機関の職員は、健康保険法(診療報酬の算定方法、保険医療機関及び保険医療養担当規則)をはじめとする関係法令ならびに諸規則等について研鑽し、適正な保険診療、診療報酬の請求に努めること。
⑥診療実日数において、同一日に複数科を受診した場合の初診料・再診料・外来診療料を算定しない科に係る診療実日数については、初診料・再診料・外来診療料を算定しない日を含め実際に診療を行った日数を記載すること。
⑦診療実日数において、初診又は再診の際、検査・画像診断等の必要を認めたが、一旦帰宅し、後日検査、画像診断等を受けに来た場合は実日数として数えないこと。
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