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厚生局の個別指導での、特定疾患療養管理料、特定疾患治療管理料の指摘事項です。指導、監査に臨む医師の方は、個別指導、監査に強い弁護士にご相談下さい。

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東北厚生局の個別指導(16):特定疾患療養管理料 特定疾患治療管理料

個別指導と監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。


ここでは、東北厚生局の医科の個別指導での指摘事項(医学管理、特定疾患療養管理料、特定疾患治療管理料、心臓ペースメーカー指導管理料、在宅療養指導料、小児科外来診療料、乳幼児育児栄養指導料、生活習慣病管理料、診療情報提供料、薬剤情報提供料、療養費同意書交付料など)をご説明します。 指摘事項は、東北厚生局の公表資料「平成27年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項(東北厚生局,平成29年2月)」に基づいています。

個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

 【コラム】個別指導と監査の上手な対応法


4 医学管理


 1 特定疾患療養管理料

@特定疾患療養管理料について、次の事例が認められたので改めること。
ア 管理内容の要点の診療録への記載がない又は不十分な例
イ 厚生労働大臣が定める疾患が主病ではない患者に対して算定している例
   例:不安神経症、大腸過敏症、潰瘍性大腸炎
ウ 主病(対象疾患)に対する療養上の管理を行っていないにもかかわらず、算定している例
エ 特定疾患療養管理料の算定にあたり、診療録と診療報酬明細書との間で主病の記載不一致が認められた例
オ 必要やむを得ない場合に、看護にあたっている家族等を通して療養上の管理を行った場合においても、当該管理料を算定できるが、必要やむを得ない場合とは認められない場合に算定している例

A特定疾患療養管理料を算定する場合は、退院の日から起算して1か月を経過した日以降に算定する等の算定要件に留意すること。

 2 特定疾患治療管理料

@ 特定薬剤治療管理料
ア 治療計画の要点、薬剤の血中濃度測定の結果の診療録への記載がない又は乏しい例
イ 薬剤の血中濃度及び治療計画の要点を診療録に記載した日に算定していない例
ウ 特定薬剤治療管理料は、投与薬剤の血中濃度を測定し、その結果に基づき当該薬剤の投与量を精密に管理した場合に算定できるものであるが、血中濃度測定に係る採血日(測定結果が判明していない)に当該管理料を算定した例

A 悪性腫瘍特異物質治療管理料
ア 算定要件とされている診療録への要点記載等が乏しい例
イ 診療録に腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点記載がない例
ウ 腫瘍マーカー検査を行った日に算定している例(当該管理料は、腫瘍マーカー検査の結果及び治療計画の要点を診療録に記載した日に算定すること。)
エ 悪性腫瘍特異物質治療管理料の算定にあたって、検査結果に基づいた計画的な治療管理が必要な場合以外に算定した例

B 小児特定疾患カウンセリング料
ア 当該疾患の原因と考えられる要素、診療計画及び指導内容の要点等カウンセリングに係る概要を診療録に記載していない例

C てんかん指導料
ア 診療計画の要点の診療録への記載がない例
イ 診療計画の要点の診療録への記載が画一的かつ不十分な例(患者個々に応じた内容を記載すること。)

D 難病外来指導管理料
ア 診療計画及び指導内容の要点の診療録への記載がない例

E 皮膚科特定疾患指導管理料
ア 皮膚科特定疾患指導管理料(T)について、治療計画ならびに指導内容の要点の診療録への記載が画一的で内容に乏しい例

F 外来・入院・集団栄養食事指導料
ア 外来栄養食事指導料について、管理栄養士への指示事項の診療録記載が不十分な例(具体的な指示事項を明確に記載すること。)
イ 外来栄養食事指導料の算定にあたり、患者毎の栄養指導記録の記載内容の不備が認められた例
ウ 入院栄養食事指導料及び集団栄養食事指導料について、医師の管理栄養士に対する指示が不明確な例
エ 集団栄養食事指導料について、栄養指導記録に記載がないものを算定している例

G 心臓ペースメーカー指導管理料
ア 計測した機能指標の値及び指導内容の要点を診療録に記載していない例

H 在宅療養指導料
ア 医師の保健師又は看護師への指示事項が不明確な例(診療録に明確に記載すること。)
イ 患者毎の療養指導記録の記載について不十分な例

I 慢性維持透析患者外来医学管理料
ア 診療録に計画的な治療管理の要点記載が画一的な例(患者個々の状態により記載すること。)
イ 診療録に特定の検査結果及び計画的な治療管理の要点記載が乏しい又は不十分な例(明確に記載すること。)
ウ 心電図のみの記載で、診療録に特定の検査結果(ガス分析)の要点記載が不十分な例(記載内容の充実を図ること。)

J 慢性疼痛疾患管理料
ア 管理内容の要点が診療録に明確に記載されていない例(算定要件を十分に確認すること)
イ マッサージ又は器具等による療法を行わずに算定している例

K 耳鼻咽喉科特定疾患指導管理料
ア 診療録に診療計画及び指導内容の要点記載がない又は乏しい例

L がん性疼痛緩和指導管理料
ア 診療録に指導内容の要点記載がない例

 3 外来リハビリテーション診療料

@外来リハビリテーション診療料について、リハビリテーションスタッフとのカンファレンスに基づく、リハビリテーションの効果や進捗状況等の診療録記載が画一的なので改めること。

 4 小児科外来診療料

@診療録に治療計画に基づいた指導内容の要点記載が乏しいものが認められたので、記載の充実を図ること。

 5 乳幼児育児栄養指導料

@診療録に指導の要点の記載がない例が認められたので改めること。

 6 生活習慣病管理料

@療養計画書の作成が必要な期間内(当該計画書の内容に変更がない場合においても4ヶ月に1回以上作成・交付が必要)に作成されず算定しているものが認められたので改めること。

 7 ニコチン依存症管理料

@治療管理の要点の診療録への記載が不十分な例が認められたので改めること。

Aニコチン依存症管理料に係る患者の同意書等について適切に保管すること。

B検査資料(TDI)等の写しを電子カルテ内に取り込むよう努めること。

 8 肺血栓塞栓症予防管理料

@指示事項が不明確なもの及びリスク評価の記載が乏しいものが認められたので改めること。

A肺血栓塞栓症予防管理料の算定にあたり、次の事例が認められたので改めること。
ア 肺血栓塞栓症を発症する危険性について評価した記録がない例
イ 用いた予防法が診療録で容易に確認できない例
ウ 肺血栓塞栓症の予防を目的として必要な医学管理を行ったことが明確になるよう診療録に記載されていない例

 9 リンパ浮腫指導管理料

@診療録に指導内容の要点記載がない例が認められたので改めること。

 10 介護支援連携指導料

@行った指導の内容等の要点を診療録に記載していない例及び介護支援専門員が作成したケアプランの写しを診療録に添付していない例が認められたので改めること。

 11 退院時リハビリテーション指導料

@指導内容が不十分なものが認められたので、指導内容の充実を図ること。
A診療録に指示内容の要点記載がない又は乏しい例が認められたので改めること。

 12 薬剤管理指導料

@薬学的管理指導記録に記載がないものを算定している例が認められたので改めること。

A薬剤管理指導料の算定にあたり、患者毎に作成する薬剤管理指導記録への副作用歴、薬学的管理指導の内容の記載が乏しい例が認められたので改めること。

 13 診療情報提供料(T)

@診療情報提供料について、次の事例が認められたので改めること。
ア 診療情報提供書について、原本を患者へ交付し、交付した文書(原本)の写しを診療録へ添付していない例
イ 単なる紹介元医療機関への返事の文書で算定している例
ウ 診療情報提供書に記載する内容について、別に定める様式で示している項目を全て記載していない例
エ 診療情報提供書の作成者が実態と異なる例(作成者氏名で発行すること。)
オ 提供文書の各項目の記載が不要な箇所を、斜線で抹消する等していない例(なお、電子的に保存している診療録の場合は、提供文書の原本(押印のあるもの)の写しを保管すること。)
カ 診療情報提供料(T)の退院時診療状況添付加算の算定について、添付した写し又はその内容を診療録に貼付又は記載していない例

A診療情報提供料(T)は、別の保険医療機関での診療の必要性を認めて患者の紹介を行った場合に算定するものであるので、算定要件に留意すること。

B診療情報の提供にあたっては、レントゲンフィルム等をコピーした場合には、当該レントゲンフィルム等及びコピーにかかる費用は当該情報提供料に含まれることに留意すること。

 14 薬剤情報提供料

@患者に対して処方した薬剤の効能、効果、副作用及び相互作用に関する主な情報を文書または薬袋により提供しておらず、算定要件を満たしていない例が認められたので改めること。

A診療録に薬剤情報を提供した旨の記載がない例が認められたので改めること。

B薬剤情報提供文書について、副作用及び相互作用の記載が乏しいものが認められたので、記載の充実を図ること。

C薬剤の処方日数のみの変更の場合には算定できないことに留意すること。

D手帳記載加算の算定にあたり、患者の手帳の持参状況を明確にすること。

E手帳記載加算の算定にあたり、所有している手帳を持参しなかった患者に対してシールのみ交付した場合は算定できないので留意すること。

 15 療養費同意書交付料

@患者の状況を的確に把握し、往療の必要性、同意するマッサージの範囲等に留意し、みだりに同意を与えないようにすること。(保険医療機関及び保険医療養担当規則第17 条)

A療養費同意書交付料は、初療の日から3月を経過してさらにこれらの施術を受ける必要がある場合において、同意書等を再度交付する際に別に算定できるものであり、連月での算定は不適切であるので改めること。

 16 退院時薬剤情報管理指導料

@診療録への提供した薬剤情報並びに指導した内容の要点記載が不十分な例が認められたので改めること。


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個別指導、監査のコラム


厚生局の指導監査の弁護士のコラム一覧です。
個別指導、監査の際にご活用下さい。

 東北厚生局の個別指導のコラム

平成26年度
1  東北厚生局の個別指導(1):診療録、電子カルテ
2  東北厚生局の個別指導(2):傷病名
3  東北厚生局の個別指導(3):初診料、再診料、外来管理加算
4  東北厚生局の個別指導(4):医学管理料、診療情報提供料
5  東北厚生局の個別指導(5):在宅医療、往診料、訪問診療料
6  東北厚生局の個別指導(6):血液化学検査、腫瘍マーカー
7  東北厚生局の個別指導(7):禁忌投与、適応外投与、漫然投与
8  東北厚生局の個別指導(8):注射、リハビリテーション
9  東北厚生局の個別指導(9):精神科専門療法、処置、麻酔
10 東北厚生局の個別指導(10):看護、看護記録、看護計画
11 東北厚生局の個別指導(11):入院時食事療養、入院時生活療養
12 東北厚生局の個別指導(12):届出事項、掲示事項、一部負担金

平成27年度
13 東北厚生局の個別指導(13):診療録、電子カルテ
14 東北厚生局の個別指導(14):傷病名
15 東北厚生局の個別指導(15):初診料、再診料、入院料
16 東北厚生局の個別指導(16):特定疾患療養管理料
17 東北厚生局の個別指導(17):在宅患者訪問診療料
18 東北厚生局の個別指導(18):検体検査実施料、生体検査料
19 東北厚生局の個別指導(19):処方料、処方せん料
20 東北厚生局の個別指導(20):注射、リハビリテーション
21 東北厚生局の個別指導(21):皮膚科処置、皮膚科軟膏処置
22 東北厚生局の個別指導(22):麻酔管理料、神経ブロック
23 東北厚生局の個別指導(23):診療報酬請求、請求事務
24 東北厚生局の個別指導(24):保険外負担、診断群分類

 保険医取消の実例紹介のコラム

1  保険医取消の実例:後発医薬品を先発医薬品とする不正請求
2  保険医取消の実例:診療報酬不正請求による逮捕と保険医取消
3  保険医取消の実例:検査結果の廃棄、保険適用外診療の不正請求
4  保険医取消の実例:死亡患者の診療報酬請求、コンタクトの不正
5  保険医取消の実例:鍼灸院や整骨院との不正請求、診療録の不作成
6  保険医取消の実例:監査の不出頭、カルテの改ざんによる取消処分
7  保険医取消の実例:無診察処方、無診察投薬による取消処分
8  保険医取消の実例:個別指導中の医師の入院と指導の延期

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