医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。
サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。
個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。
弁護士鈴木が力を入れている指導監査に関するコラムです。
ここでは、東北厚生局の医科の個別指導での指摘事項(届出事項、掲示事項、一部負担金、領収証・明細書、保険外負担)についてご説明を致します。 指摘事項は、東北厚生局の公表資料「平成26年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項(東北厚生局,平成28年6月)」に基づいています。
個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談を強くお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。
指導監査のコラム
1 個別指導と監査の上手な対応法
19 事務的取扱い
届出事項
届出事項に変更があった場合は、その都度速やかに東北厚生局長へ変更(異動)届を提出すること。
例:診療日、診療時間、診療科目、保険医、管理者、開設者の住所
:施設基準に係る届出内容の変更
:施設基準の辞退届のもれ
:特別の療養環境の提供に係る特別の料金の変更
:酸素の購入価格に関する届出において、消費税を含めない価格で届出されていたので、消費税を含む価格で算出し訂正届を提出すること等酸素の購入価格に関する届出書について、速やかに訂正届出を行うこと。
:診療所の電話番号の変更
掲示事項
@保険医療機関の掲示事項に関して、不適切な例が認められたので改めること。
例:届出している施設基準に係る事項を掲示していない又は名称が相違している、明細書の発行に関する掲示がない、掲示の内容が不適切である。
A保険外負担について、費用徴収に係るサービス等の内容及び料金を院内の見やすい場所に、患者にとってわかりやすく掲示すること。
例:在宅医療に係る交通費
:日常生活上のサービスに係る費用(病衣貸与代)
:インフルエンザ等の予防接種
B保険外併用療養費に関する事項(差額ベッドの場所及び料金等)について、院内の見やすい場所に掲示すること。
C医療法施行規則第9条の3に定められた事項を、当該病院又は診療所の入り口、受付、待合所の付近の見やすい場所に掲示すること。
Dコンタクトレンズ検査料の施設基準の要件として定められている内容の掲示事項について、不十分であることから改めること。
E明細書発行体制等加算については、算定した診療報酬の区分・項目の名称及びその点数又は金額を記載した詳細な明細書を患者に無償交付している旨を院内に掲示すること。
F保険医療機関である旨の標示を行うこと。
G入院基本料に係る届出内容の概要(看護職員数等)を掲示すること。
H医科点数表第2章第10部手術の通則の5及び6に掲げる手術については、前年の手術件数を院内に掲示すること。
I地域包括診療加算に関する事項(健康相談等を実施している旨等)を院内掲示すること。
J夜間・早朝等加算において、受付の時間によって夜間・早朝等加算を算定する患者と算定しない患者が混在する可能性があることから、患者にわかりやすく掲示を行うこと。
一部負担金に係る事項
一部負担金の取扱いにおいて、不適切な例が認められたので改めること。
例:自家診療に係る患者について一部負担金が未収のまま納入督促も行われていない又は受領が明確でない。
:計算方法の誤り、診療録の様式第1号(1)の3の記載誤り、記載もれ。
:管理簿等の作成がなく未収の一部負担金の管理が不十分である。又、未収の一部負担金に係る督促を行っていない例が認められたので改めること。
:過不足があるにもかかわらず返金及び追加徴収が行われていない。又、処方の追加等による点数の変更・修正に係る患者について、重複請求が見受けられたので改めること。
:診療録の様式第1号(1)の3に記載の負担金徴収額については、患者から徴収する金額(10円単位)を記載すること。
:診療録と日計表の間で不一致が認められたので、十分に突合確認のうえ徴収すること。
領収証・明細書に係る事項
@領収証の様式について、標準例で定められている内容を満たしていないので、各項目について改めること。
A電子請求を行っている保険医療機関は、正当な理由がない限り、項目ごとに記載した明細書についても無償で交付すること。
B領収証、明細書を発行していない例が認められたので原則すべての患者に発行すること。
C保険診療に係る一部負担金の金額を記載して、患者に交付すること。
保険外負担に係る事項
@療養の給付とは直接関係のないサービス又は物に関する費用の徴収に不適切な例が認められたので改めること。
例:手技料等に包括されている材料等
A療養の給付とは直接関係のないサービス等は、サービスの内容や料金を明示した文書に患者の署名を受けることにより同意を確認のうえで徴収を行うこと。
B患者からの費用徴収が必要となる場合(例:診断書)は、同意を確認のうえ徴収すること。
その他
@被保険者証、免除証明書、医療受給者証等のコピーを保有することは個人情報保護の観点から好ましくないので行わないよう改めること。
A保険点数を訂正したときは、患者に一部負担金を返金する等適切に管理すること。
B電子カルテの運用にあたり、院内マニュアルを整備し定期的にパスワードを見直す等、適切に管理すること。
C保険診療として不適切な例が認められたので改めること。
例:健康診断と思われる医療従事者の胸部画像診断
:施設入所用診断書作成依頼のための検査
:自己診療
D差額室料の徴収にあたっては、料金を明示した文書に患者側の署名を受けることにより同意を確認すること。
E症状詳記の内容が診療内容と異なっている例が認められたので改めること。
F療養の給付を行う際には、被保険者証の提出を求め、療養の給付を受ける資格を確認すること。
G保険診療に関する諸規則や算定要件等の理解が十分でないことから、開設者、管理者、保険医として備えるべき知識の修得に努めること。
H薬剤購入に係る納品書等、療養の給付の担当に係る帳簿及び書類その他の記録をその完結の日から3年間保存すること。
I後発医薬品の使用を考慮するとともに、患者に後発医薬品を選択しやすくするように努めること。(療養担当規則第20条三投薬ニ)
J医療情報システムについて、診療から医事会計までの業務フローを点検し、保険診療上、適切な取扱いとなるように改善すること。
例:自動受付機による受付において、不適切な例が認められたことから改めること。
K地域包括診療加算について、当該患者に対し院外処方を行う場合は、24時間対応をしている薬局と、連携していることとされているので、体制を整えること。
L時間外対応加算1において、対応者・緊急時の対応体制・連絡先等について、院内掲示等の方法により患者に対して周知することが要件となっているので改めること。
M時間外対応加算2において、標榜時間外の夜間の数時間は、患者からの電話等による問い合わせに応じる体制を整備するとともに、対応者・緊急時の対応体制・連絡先等について、院内掲示等の方法により患者に対して周知することが要件となっているので留意すること。
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