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個別指導での、在宅医療、検査、画像診断の指摘事項をご紹介します。指導、監査にお悩みの医師の方は、サンベル法律事務所にご相談下さい。

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29 中国四国厚生局の個別指導(3):在宅医療、検査、画像診断

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


弁護士鈴木が力を入れている指導監査に関するコラムです。
ここでは、中国四国厚生局の医科の個別指導での指摘事項(在宅医療、検査、画像診断)についてご説明を致します。 指摘事項は、中国四国厚生局の公表資料「平成27年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項(中国四国厚生局)」に基づいています。

個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談を強くお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

 指導監査のコラム

1  個別指導と監査の上手な対応法

T 診療に関する事項


 6 在宅医療

(1)往診料は、患家の求めに応じて患家に赴き診療を行った場合に算定できるものであり、定期的ないし計画的に患家に赴いて診療を行った場合には算定できないことに留意すること。
(2)往診料について、往診時の症状所見等に係る診療録への記載が不十分な例又は記載がない例が認められたので改めること。
(3)緊急往診加算について、加算の対象となる緊急な場合に該当しないにもかかわらず、算定している例が認められたので改めること。
(4)在宅患者訪問診療料について、次の不適切な例又は留意すべき事項が認められたので改めること。
@ 在宅での療養を行っている患者であって、通院が困難な者に対して診療を行った場合に算定できるものであるので、通院が可能な者には安易に算定しないこと。
A 当該患者又はその家族等の署名付きの訪問診療に係る同意書の作成がない又は作成した同意書の診療録への添付がない。
B 訪問診療の計画及び診療内容の要点、診療時間(開始時刻、終了時刻)及び診療場所の診療録への記載が不十分又は記載がない。
C 診療録の記載から状態が不安定とは言えない患者に対して、漫然と頻回の訪問診療を実施している。訪問診療の計画は患者の状態に基づき適宜見直すこと。
D 同一日に「2 同一建物居住者の場合」に該当する訪問診療を行ったにもかかわらず、「1 同一建物居住者以外の場合」を算定している。
(5)在宅時医学総合管理料及び特定施設入居時等医学総合管理料について、個別の患者ごとの総合的な在宅療養計画の作成、その内容の患者、家族及びその看護に当たる者等に対する説明、在宅療養計画及び説明内容の要点等の診療録への記載が不十分な例又は記載がない例が認められたので改めること。
(6)在宅時医学総合管理料について、個別の患者ごとの総合的な在宅療養計画を適宜見直すこと。
(7)在宅患者訪問看護・指導料について、訪問看護・指導計画を作成していない例が認められたので改めること。
(8)在宅患者訪問看護・指導料について、医師が看護師等に対して行った指示内容の要点の診療録への記載が不十分な例又は記載がない例が認められたので改めること。
(9)在宅患者訪問点滴注射管理指導料について、医師が当該保険医療機関の看護師等に対して行った指示内容の要点の、診療録への記載がない例が認められたので改めること。
(10)在宅患者訪問点滴注射管理指導料について、週3回以上の点滴注射を行う必要のない患者に対して算定している例が認められたので改めること。
(11)訪問看護指示料について、訪問看護ステーションに交付した訪問看護指示書等の写しを診療録に添付していない例が認められたので改めること。
(12)在宅療養指導管理料について、当該指導管理に要する医療材料の費用は、別に診療報酬上の加算等として評価されている場合を除き所定点数に含まれ、別に算定できないことに留意すること。
(13)在宅自己注射指導管理料について、次の不適切な例又は留意すべき事項が認められたので改めること。
@ 指導内容を詳細に記載した文書を作成し患者に交付すること。
A 自己注射に係る指導管理を受ける保険医療機関を変更した患者に対する導入初期加算の算定期間は、変更前の保険医療機関から通算して取り扱うこと。
B 現にインスリン製剤の在宅自己注射を行っていない患者に対して算定している。
(14)在宅酸素療法指導管理料について、「その他の場合」に該当する在宅酸素療法として、諸種の原因による高度慢性呼吸不全例、肺高血圧症の患者又は慢性心不全の患者のうち、安定した病態にある退院患者及び手術待機の患者とする要件に該当しない患者に対して算定している例が認められたので改めること。
(15)在宅人工呼吸指導管理料について、当該指導管理料に含まれている蒸留水を別に算定している例が認められたので改めること。
(16)在宅人工呼吸指導管理料は、在宅人工呼吸を行っている入院中の患者以外の患者に対して、在宅人工呼吸に関する指導管理を行った場合に算定できるが、睡眠時無呼吸症候群の患者は算定の対象とならないので改めること。なお、睡眠時無呼吸症候群の患者は、慢性心不全の有無や重症度等により在宅酸素療法指導管理料又は在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料が算定されるものであること。
(17)在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料について、診療録に検査結果、所見等の記載がないため、対象患者であることの確認ができない例が認められたので改めること。
(18)血糖自己測定器加算について、次の不適切な例又は留意すべき事項が認められたので改めること。
@ 在宅で血糖の自己測定をさせ、その記録に基づき指導を行った場合に算定できるものであること。
A 測定結果を治療に反映させること。
B 診療録に測定値の記録がないため、その記録に基づき指導を行ったか否かが確認できない。
C 測定回数が算定要件に該当していない。
D 1型糖尿病ではないにもかかわらず、1型糖尿病として、区分6の算定をしている。
E 指導を行った根拠となる自己測定結果の記録を診療録に記載又は添付することが望ましい。
(19)酸素ボンベ加算(1携帯用酸素ボンベ)及び呼吸同調式デマンドバルブ加算について、医療機関への通院等を行うことができない患者に対して算定している例が認められたので改めること。
(20)呼吸同調式デマンドバルブ加算について、携帯用酸素供給装置と鼻カニューレを使用していない患者に対して算定している例が認められたので改めること。

 7 検査・画像診断

(1)検査及び画像診断は、診療上必要があると認められる場合に行うこととされており、患者個々の自覚症状や他覚的所見等により必要な項目を選択し、医学的に必要性が認められるものについて、段階的に、必要最小限の回数で実施することとし、画一的、過剰とならないように留意すること。
(2)健康診断として実施された検査を保険請求している例が認められたので改めること。
(3)検査について、必要性が乏しい検査(いわゆるセット検査)が実施されている例が認められたので改めること。
(4)画像診断について、実施した画像診断の必要性、結果、結果の評価の診療録への記載がない又は不十分な例が認められたので改めること。
(5)検査及び画像診断について、次の不適切な例又は留意すべき事項が認められたので改めること。
@ 検査の記録が診療録に記載されておらず、また検査結果も添付されていない。
A 時間外緊急院内検査加算について、当該保険医療機関が常態として診療応需の態勢をとっているときは、時間外の取扱いとはしないことに留意すること。
B 同一月に2回実施された胃・十二指腸内視鏡検査について、1回目の検査で十分な結果が得られなかったために一連として2回目を実施されている例について、検査の必要性を十分に考慮すること。
C 糖尿病性腎症第4期の患者に対して実施しているシスタチンC検査。
D すでに糖尿病が確定している患者であり1型糖尿病の疑いがある者に対して抗GAD抗体検査を実施しているにもかかわらず、加えて実施しているインスリン抗体検査。
E エックス線による写真診断を経ずに実施されたコンピューター断層撮影。
F 患者の自覚症状や他覚的所見及び医学的必要性が、診療録において確認できず、同一日に画一的に行われた腫瘍マーカー、超音波検査(胸腹部)、画像診断(胸部)。
(6)腫瘍マーカーについて、次の不適切な例又は留意すべき事項が認められたので改めること。
@ 悪性腫瘍が強く疑われる根拠について、診療録の記載が不十分である。
A 検査の必要性等を診療録へ記載するよう留意すること。
B 悪性腫瘍の確定診断がされているにもかかわらず算定している。
C 対象となる「疑い病名」の診療開始日を更新し、連月で算定している。
D 年2回定期的に実施している。
E 診察、腫瘍マーカー以外の検査、画像検査等の結果から前立腺がんの患者であることを強く疑われる者以外の患者に対してPSA検査を算定している。
F 他院で悪性腫瘍と診断され、他院で治療中の患者に対して腫瘍マーカー検査を行っている。
(7)インフルエンザウイルス抗原定性について、発症後 48 時間以上経過した場合に、算定している例が認められたので改めること。
(8)脈波図、心機図、ポリグラフ検査について、描写し記録した脈波図により脈波伝達速度を求めて行った場合は「区分6 血管伸展性検査」として算定するよう留意すること。
(9)心エコー検査を実施し、副所見として胸水の評価ができるにもかかわらず、胸水の評価目的で胸部エコーを別に実施し同時に算定している例が認められたので改めること。
(10)呼吸心拍監視について、観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数のそれぞれの観察結果の要点について、診療録への記載が不十分な例が認められたので改めること。
(11)内視鏡検査料について、内視鏡を用いた手術と同時に行う内視鏡検査を別に算定している例が認められたので改めること。
(12)コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者(既装用者の場合を含む。)に対して、眼科学的検査を算定している例が認められたので改めること。
(13)互いに近接する部位の2以上のファイバースコピー検査が連続的に行われている場合に、重複して算定している例が認められたので、主たる検査のみ算定するよう改めること。
(14)電子画像管理加算について、同一の部位につき、同時に2種類以上の撮影方法を使用した場合は一連の撮影とみなし、主たる撮影の点数のみ算定するよう改めること。
(15)病理判断料の算定において、病理学的検査の結果に基づく病理判断の診療録への要点記載がない例が認められたので改めること。
(16)同一発症日の複数の傷病について、一連とすべきCT撮影を撮影日を分けて2回の撮影として実施している例が認められたので改めること。


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