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医師の無診察診療、無診察処方での個別指導、監査の実例です。指導、監査に臨む医師の方は、個別指導に強い弁護士にご相談下さい。

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15 保険医療機関、保険医の取消の実例(15)

個別指導の書籍を出版し、医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、情報提供により個別指導となり、無診察での診療、処方を認め監査に移行し、保険医療機関の指定の取消し、保険医の取消しとなった実例をご紹介します。令和元年5月付の取消事案であり、厚生労働省の九州厚生局が公表した事例です。説明のため簡略化等をしています。

個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

【コラム】個別指導と監査の上手な対応法


医師の無診察での診療、処方の不正請求での個別指導、監査の実例


 1 監査に至る経緯

九州厚生局の公表資料によれば、監査に至る経緯は以下のとおりです。

1 自己処方の不正請求の情報提供

平成28年5月27日、匿名の者から九州厚生局指導監査課に対し、診療所の院長である医師が、自分で服用する薬を他人の名前を使って処方をしている旨の情報提供があった。

2 個別指導での不正請求の自認

その後、個別指導を実施したところ、医師は、前記の情報提供の内容が事実である旨を認めたほか、無診察での処方箋の交付や無診察での消炎鎮痛等処置を行っていたことを認めた上で、薬剤の不正入手に係る具体的な方法や診療報酬請求の流れを述べ、次の事象を認める旨を申述した。

3 虚偽の処方箋の作成の自認

医師が、自身及び親族が使用するための薬剤を入手するため、親族を診察したと偽って処方箋を作成し、保険薬局を通じて薬剤を入手した。

4 無診察での診療報酬の不正請求の自認

上記の処方箋を作成するにあたって、診察の事実があったかのように診療録に記載し、再診料、処方せん料等の診療報酬を請求していた。

5 患者への無診察処方の自認

診察を行っていない患者に対し、処方箋を交付していた。

6 無診察での消炎鎮痛等処置

診察を行っていない患者に対し、リハビリテーションを担当する従業員に消炎鎮痛等処置を行わせていた。

7 個別指導の中止、監査の実施

これらの申述内容に係る不正請求が疑われたことから個別指導を中止し、監査要綱の第3の1及び2に該当するものとして、監査を実施した。

 2 取消処分の主な理由

【不正請求】

1 架空請求

実際には行っていない保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求していた。
《 具体的事例 》
・医師の複数の親族を月に一度も診察せず、当該親族、医師及び他の親族が使用する薬剤に係る処方箋を作成し、これに基づく薬剤を受け取るとともに、再診料、外来管理加算、特定疾患療養管理料及び処方せん料等の診療報酬を請求していた。

2 付増請求

実際に行った保険診療に行っていない保険診療を付け増して、診療報酬を不正に請求していた。
《 具体的事例 》
・医師の複数の親族を月に一度のみ診察し、診察していない日に、当該親族、医師及び他の親族が使用する薬剤に係る処方箋を作成し、これに基づく薬剤を受け取るとともに、再診料及び処方せん料等の診療報酬を請求していた。
・医師の複数の親族を診察した日に、医師及び他の親族が使用する薬剤に係る処方箋を作成し、これに基づく薬剤を受け取るとともに、処方せん料の診療報酬を請求していた。

3 無診察診療

保険診療と認められないものを、保険診療を行ったものとして診療報酬を不正に請求していた。
《 具体的事例 》
・患者が来院したものの、医師が患者を診察せずに処方箋を交付し、再診料及び処方せん料等の診療報酬を請求していた。
・患者が来院したものの、医師が患者を診察せずにリハビリテーションを担当する従業員に消炎鎮痛等処置を行わせ、再診料及び消炎鎮痛等処置等の診療報酬を請求していた。

【不当請求】
・初診料について、前回の診療と明らかに同一の疾病であると推定され、再診料を算定すべきであるにもかかわらず、誤って初診料を請求していた。
・特定疾患療養管理料について、主病に対する管理内容の要点が診療録に記載されていないにもかかわらず、特定疾患療養管理料を請求していた。

【根拠条文】
(1)保険医療機関の指定取消
健康保険法第80条第1号、第2号、第3号及び第6号
(2)保険医の登録取消
健康保険法第81条第1号及び第3号

 3 診療報酬の不正、不当請求金額

九州厚生局の公表資料によれば、監査において確認した不正、不当請求の金額は、以下のとおりです。

平成24年3月〜平成28年9月
・ 不正請求 29名分 レセプト 364件
   1,365,815円
・ 不当請求  6名分 レセプト   7件
   15,413円
  合計   35名分 レセプト 371件
   1,381,228円 (23名分)(365件)

※上記の件数及び金額は、監査で確認したもののみを計上しており、最終的な不正・不当請求の件数及び金額は、今後精査していくこととしているので、現時点では確定していない。 


個別指導、監査に臨む医師の方は、お電話下さい。無診察診療での個別指導への対応など、弁護士がアドバイスします。

個別指導、監査のコラム


指導監査(医科)のコラムの一覧です。
医師の無診察での診療、処方での監査の他、多数の実例をご紹介しています。
個別指導、監査の際にご活用下さい。

 指導監査のコラム

1  個別指導と監査の上手な対応法

 保険医取消の実例紹介のコラム

1  保険医取消の実例:後発医薬品を先発医薬品とする不正請求

2  保険医取消の実例:診療報酬不正請求による逮捕と保険医取消

3  保険医取消の実例:検査結果の廃棄、保険適用外診療の不正請求

4  保険医取消の実例:死亡患者の診療報酬請求、コンタクトの不正

5  保険医取消の実例:鍼灸院や整骨院との不正請求、診療録の不作成

6  保険医取消の実例:監査の不出頭、カルテの改ざんによる取消処分

7  保険医取消の実例:無診察処方、無診察投薬による取消処分

8  保険医取消の実例:個別指導中の医師の入院と指導の延期

9  保険医取消の実例:個別指導の中断、中止、監査での取り消し

10 保険医取消の実例:架空請求の情報提供での保険医の取り消し

11 保険医取消の実例:廃止した医院への個別指導を経ない監査

12 保険医取消の実例:患者の情報提供による個別指導

13 保険医取消の実例:医師の名義貸しでの個別指導、監査

14 保険医取消の実例:無診察での不正請求

15 保険医取消の実例:無診察診療での個別指導

16 保険医取消の実例:再指導での個別指導からの監査

17 保険医取消の実例:刑事事件の有罪判決での保険医取消処分

18 保険医取消の実例:訪問看護ステーションへの個別指導

19 保険医取消の実例:子供の診療での不正請求

20 保険医取消の実例:14日後付け処方せんでの個別指導

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