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個別指導での、投薬、注射、リハビリテーションの指摘事項をご紹介します。指導、監査にお悩みの医師の方は、サンベル法律事務所にご相談下さい。

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30 中国四国厚生局の個別指導(4):投薬、注射、リハビリテーション

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


弁護士鈴木が力を入れている指導監査に関するコラムです。
ここでは、中国四国厚生局の医科の個別指導での指摘事項(投薬、注射、リハビリテーション)についてご説明を致します。 指摘事項は、中国四国厚生局の公表資料「平成27年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項(中国四国厚生局)」に基づいています。

個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談を強くお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

 指導監査のコラム

1  個別指導と監査の上手な対応法

T 診療に関する事項


 8 投薬、注射

(1)一般名処方加算の算定に際し、診療録に一般的名称で処方内容が記載されておらず、一般的名称で処方が行われたことの何らかの記録もない例が認められたので改めること。
(2)投薬は、みだりに反復(長期漫然投与)せず、症状の経過に応じて投薬の中止やその内容の変更をする等、適宜、有効性の評価、効果判定、必要性の検討等を行うこと。
(3)ビタミン剤に係る薬剤料の算定については、当該ビタミン剤の投与が必要かつ有効と判断し、適正に投与された場合に限られるものであり、判断した趣旨を具体的に診療録及び診療報酬明細書に記載すること。
(4)注射については、経口投与をすることができないとき、経口投与による治療の効果を期待することができないとき、特に迅速な治療をする必要があるとき、その他注射によらなければ治療の効果を得ることが困難であるとき等、使用の必要性について考慮した上で使用すること。
(5)注射について、適応、回数、効果等の評価を適切に行い、その必要性を十分検討して行うこと。
(6)注射と内服薬の併用は、これによって著しく効果を挙げることが明らかな場合又は内服薬の投与だけでは治療の効果を期待することが困難である場合に限って行うこと。
(7)抗菌薬等の使用について、細菌培養同定検査、薬剤感受性検査等の適正な手順を踏まずに、治療効果の確認をしないまま必要性の明らかでない抗菌薬を長期投与している例が認められたので改めること。
(8)血液製剤の使用については、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、「血液製剤の使用指針」等を参考に、必要最小限の使用にとどめること。
(9)投薬・注射について、次の不適切な例又は留意すべき事項が認められたので改めること。
@ 禁忌投与
ア 再発性胃潰瘍の疾患がある患者に対して投与されているロキソニン錠
イ 消化性潰瘍の患者に対して投与されているブルフェン錠 200
A 適応外投与
ア 水痘患者へ投与されたアラセナ-A軟膏
イ 感染症ショックでない患者に対するサクシゾン注射用
ウ インフルエンザ患者に対するクラリシッド錠
エ 高血圧症患者に対するアーチスト錠 1.25mg
オ 逆流性食道炎ではない患者に対するネキシウムカプセル
B 用法外投与
ア ストレス性胃潰瘍に対する8週間を超えて投与されているネキシウムカプセル
イ 胃潰瘍に対する8週間を超えて投与されているタケプロンOD錠 15
C 過量投与・経口投与との併用
ア フェジン静注 40mg
D 長期漫然投与
ア メチクール錠
イ メチコバール錠
ウ 胃潰瘍に対するセループカプセル
エ ビタミン剤
E その他具体例
ア プロトロンピン時間(PT-INR)検査を適正に実施せず投与したワーファリン
イ 内視鏡検査により逆流性食道炎が治癒していないことを確認せずに投与したパリエット錠(1回 10 rを1日2回)。
ウ ラベプラゾール Na 錠の使用にあたって、添付文書の使用上の注意として、逆流性食道炎の維持療法中は定期的に内視鏡検査を実施するなど観察を十分に行うことが望ましいとされているにもかかわらず、診療開始以降、長期にわたり内視鏡検査の実施をしていない。
エ 心不全に対する治療薬については、脳性Na利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)値、心不全の重症度分類(NYHA)及び慢性心不全治療ガイドライン等に沿って選択するよう留意すること。
オ メマリー20mg の投与について、アルツハイマー型認知症の重症度を診療録に記載することが望ましい。
カ ロキソニン錠について、服薬状況(残薬)の確認をせず、継続して投与している。
キ 抗菌薬の使用について、アミカマイシン注射液を洗浄目的で使用している。
ク 抗生剤注射の用法について、継続して使用するべきところを、1日おいて再使用している。
ケ ドルミカム注射液の使用に当たっては、その必要性を十分に考慮した上で、医薬品医療機器等法上の承認事項に留意すること。
コ 関節腔内注射と関節穿刺について、重複して算定されている例が認められた。
サ ビタミン剤について、食事摂取可能な患者に対して、医学的に診断根拠の確認ができない傷病名を付与し、注射として使用されている。
シ 疾患又は症状の原因がビタミンの欠乏又は代謝障害ではない患者に対してビタミン剤を投与している。
(10)特定疾患処方管理加算について、対象疾患が主病でないにもかかわらず算定している例が認められたので改めること。
(11)長期投薬加算について、次の不適切な例が認められたので改めること。
@ 別に厚生労働大臣が定める疾患を主病としない患者に対して算定している。
A 主病が対象疾患ではなく、かつ、対象疾患に対する投薬がない。
B 対象疾患に対する薬剤の処方期間が 28 日以上となってない。

 9 リハビリテーション

(1)疾患別リハビリテーションについて、次の不適切な例又は留意すべき事項が認められたので改めること。
@ リハビリテーション実施計画を作成していない。
A 開始時又は3か月毎に患者に対して実施計画を説明したことが確認できない。
B 開始時又は3か月毎の実施計画の説明の要点を診療録に記載していない。
C 適応疾患が相違している又は適応疾患がない。
D 機能訓練の内容の要点の診療録等への記載が不十分である。
E 機能訓練の内容の要点の診療録等への記載が画一的である。
F 機能訓練を開始した時刻と終了した時刻について、診療録等に実際の時間を正確に記載すること。
G 心大血管疾患リハビリテーション料について、専任の医師が定期的な心機能チェックの下にリハビリテーションの実施計画を作成していない。
H 医学的にリハビリテーションの適応に乏しい患者に実施している。(開心術後の患者として心大血管疾患リハビリテーション料を算定している例について、手術日より前に当該リハビリテーションを実施している。)
I 運動器リハビリテーション料の起算日を、発症日ではなく診断日としている。
J 運動器リハビリテーション料(V)の算定において、医師、理学療法士、作業療法士以外の従事者が実施した場合、医師又は理学療法士が事後報告を受けたことが確認できる署名等がない。
K 物理療法のみを行った場合には処置の費用として算定することに留意すること。
(2)リハビリテーション総合計画評価料について、リハビリテーション総合実施計画の作成にあたっては、医師、看護師、理学療法士、作業療法士等多職種が共同して作成するよう改めること。
(3)リハビリテーション総合計画評価料について、リハビリテーション総合実施計画書の各記載欄に未記入の欄が認められたので、適切に計画及び評価のうえ記入すること。
(4)摂食機能療法について、次の不適切な例が認められたので改めること。
@ 適応疾患でないものについて算定している。
A 実施計画を作成していない。
B 訓練内容を診療録に記載していない。
(5)摂食機能療法の実施に当たっては、医師は定期的な摂食機能検査に基づく効果判定を必ず行うこと。


個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、お電話を下さい。個別指導、監査への対応方法をアドバイス致します。

指導監査のコラム


指導監査のコラム一覧です。
個別指導、監査の際に、また日常の医院運営、臨床などにご活用下さい。

 保険医取消の実例紹介のコラム

1  保険医取消の実例:後発医薬品を先発医薬品とする不正請求
2  保険医取消の実例:診療報酬不正請求による逮捕と保険医取消
3  保険医取消の実例:検査結果の廃棄、保険適用外診療の不正請求
4  保険医取消の実例:死亡患者の診療報酬請求、コンタクトの不正
5  保険医取消の実例:鍼灸院や整骨院との不正請求、診療録の不作成
6  保険医取消の実例:監査の不出頭、カルテの改ざんによる取消処分
7  保険医取消の実例:無診察処方、無診察投薬による取消処分
8  保険医取消の実例:個別指導中の医師の入院と指導の延期

 個別指導の指摘事項のコラム

1  個別指導の指摘事項(1):基本診療料、医学管理、在宅医療
2  個別指導の指摘事項(2):処置、請求事務、診療録
3  関東信越厚生局の個別指導(1):診療録 傷病名、初診料
4  関東信越厚生局の個別指導(2):医学管理、在宅医療
5  関東信越厚生局の個別指導(3):検査、画像診断、投薬
6  関東信越厚生局の個別指導(4):手術、麻酔、看護、一部負担金
7  近畿厚生局の個別指導(1):診療録、傷病名、診療報酬明細書
8  近畿厚生局の個別指導(2):基本診療料、医学管理
9  近畿厚生局の個別指導(3):在宅医療、検査、画像診断
10 近畿厚生局の個別指導(4):投薬、注射、手術、麻酔、院内掲示
11 東北厚生局の個別指導(1):診療録、電子カルテ
12 東北厚生局の個別指導(2):傷病名
13 東北厚生局の個別指導(3):初診料、再診料、外来管理加算
14 東北厚生局の個別指導(4):医学管理料、診療情報提供料
15 東北厚生局の個別指導(5):在宅医療、往診料、訪問診療料
16 東北厚生局の個別指導(6):血液化学検査、腫瘍マーカー
17 東北厚生局の個別指導(7):禁忌投与、適応外投与、漫然投与
18 東北厚生局の個別指導(8):注射、リハビリテーション
19 東北厚生局の個別指導(9):精神科専門療法、処置、麻酔
20 東北厚生局の個別指導(10):看護、看護記録、看護計画
21 東北厚生局の個別指導(11):入院時食事療養、入院時生活療養
22 東北厚生局の個別指導(12):届出事項、掲示事項、一部負担金
23 東海北陸厚生局の個別指導(1):診療録、傷病名、基本診療料
24 東海北陸厚生局の個別指導(2):医学管理、在宅医療
25 東海北陸厚生局の個別指導(3):検査、投薬、処置、手術
26 東海北陸厚生局の個別指導(4):看護、食事、診療報酬明細書
27 中国四国厚生局の個別指導(1):診療録、傷病名、初・再診料
28 中国四国厚生局の個別指導(2):入院料、医学管理
29 中国四国厚生局の個別指導(3):在宅医療、検査、画像診断
30 中国四国厚生局の個別指導(4):投薬、注射、リハビリ
31 中国四国厚生局の個別指導(5):処置、手術、麻酔、看護
32 中国四国厚生局の個別指導(6):診療報酬請求、一部負担金
33 四国厚生支局の個別指導(1):診療録、傷病名、基本診療料
34 四国厚生支局の個別指導(2):医学管理、在宅医療
35 四国厚生支局の個別指導(3):画像診断、病理診断、投薬
36 四国厚生支局の個別指導(4):処置、看護、診療報酬請求

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