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検査、画像診断、病理診断の診療報酬請求での留意事項をご説明します。個別指導、監査にお悩みの医師の方は、指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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6 診療報酬請求の留意事項(6):検査、画像診断、病理診断

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


弁護士鈴木が力を入れている指導監査のコラムです。

ここでは、医科診療報酬請求の留意事項(検査、画像診断、病理診断)についてご説明を致します。 内容は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の公表資料「保健診療の理解のために【医科】(平成28年度)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談をお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

 指導監査のコラム

1  個別指導と監査の上手な対応法

第6 検査・画像診断・病理診断


○ 各種の検査は、診療上必要な検査項目を選択し、段階を踏んで、必要最小限の回数で実施する。

 1 検査の実施方針について

 療養担当規則の規定により、各種の検査は診療上必要があると認められる場合に行うこととされており、健康診断を目的とした検査、結果が治療に反映されない研究を目的とした検査について、保険診療として請求することは認められていない。
 また、検査は、診療上の必要性を十分考慮した上で、段階を踏んで必要最小限に行う。

 2 検査の算定上の留意点

 それぞれの検査項目によっては、対象となる患者の状態等が算定要件として定められているほか、算定可能な検査の組み合わせが限定されていることに留意する。また、医学管理等と同様に、診療録やレセプトの摘要欄に記載すべき事項が定められている検査項目があることに留意する。

(算定要件の例)
@ 検体検査
・尿沈渣(鏡検法又はフローサイトメトリー法)は、尿中一般物質定性半定量検査等で異常所見がある場合、又は診察の結果から実施の必要があると考えられる場合が対象。
・プロトロンビン時間とトロンボテストを同時に測定した場合は、主たるもののみ算定。
・ヘモグロビンA1C、グリコアルブミン、1,5−アンヒドロ−D−グルシトールのうちいずれかを同一月中に併せて2回以上実施した場合は、月1回に限り主たるもののみ算定。

A 呼吸心拍監視
・対象患者は、重篤な心機能障害、呼吸機能障害を有する患者又はそのおそれのある患者に限定されている。
・観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数のそれぞれの観察結果の要点を診療録に記載する。
(単にモニター装置の装着のみで算定できるものではないことに留意する。)

B 静脈血採取、動脈血採取
・観血的動脈圧測定用カテーテル、人工腎臓回路、心カテーテル検査用カテーテル回路など、血液回路から採取した場合は算定できない。

 3 不適切な検査の具体例

@ 不適切なセット検査
・セット検査(入院時セット、術前(後)セット、○○病セットなど)を、患者ごとに必要な項目を吟味せず画一的に実施
・スクリーニング的に多項目(出血凝固線溶系検査、免疫系検査、甲状腺機能検査等)を画一的に実施

A 検査の重複
・甲状腺機能を調べるために、FT3とT3(FT4とT4)を画一的に併施

B 必要性の乏しいと思われる検査
・DICの診断・治療に反映されないTAT、Dダイマー、フィブリンモノマー複合体、プラスミン、α2プラスミンインヒビター・プラスミン複合体等
・入院、転科、転棟の際、血液型、感染症検査等をその都度実施
・診療に不必要な検査項目を、単なる学術研究目的で定期的に実施(保険外併用療養費制度を用いた治験等は除く)

 4 画像診断の算定上の留意点

 画像診断項目によっては、対象となる患者の状態等が算定要件として定められているほか、算定可能な検査の組み合わせが限定されていることに留意する。

(算定要件の例)
@ 画像診断管理加算1、2

・放射線診断部門からの報告文書を診療録に添付する。
・あらかじめ施設基準として届け出られた専ら画像診断を担当する放射線科医師以外の医師が読影した場合は算定できない。
・画像診断管理加算2を算定する場合は、医療機関内で行われる全ての核医学診断、コンピューター断層診断(CT、MRI)の8割以上について撮影翌診療日までに報告文書が作成されている必要がある。

A ポジトロン断層撮影、ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影、ポジトロン断層・核磁気共鳴コンピューター断層複合撮影、乳房用ポジトロン撮影
・保険診療として実施するためには、算定対象となる疾患(てんかん、心疾患、悪性腫瘍(早期胃癌を除き、悪性リンパ腫を含む。乳がん等))や、具体的病態(他の検査、画像診断により病期診断が確定できない等)が、算定要件として定められている。

 5 病理診断の算定上の留意点

@ 病理組織標本作製
・原則として1臓器ごとに所定の点数を算定できるが、複数臓器でも算定上は1臓器として数える組み合わせがある。(例:胃と十二指腸、気管支と肺臓 等)
・リンパ節については所属リンパ節ごとに1臓器として数える。
・左右対称の臓器は1臓器として数える。

A 病理診断料
・病理診断を専ら担当する医師は、検体検査管理加算(V)(W)の施設基準である「臨床検査を専ら担当する常勤の医師」を兼ねることは出来ない。

B 病理診断管理加算
・病理診断科を標榜している保険医療機関において、病理診断を専ら担当する常勤の医師が病理診断を行い、その結果を文書により報告した場合に算定できる。


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指導監査のコラム


指導監査に関するコラムです。
個別指導、監査の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 診療報酬請求の留意事項のコラム

1  診療報酬請求の留意事項(1):診療録(カルテ)
2  診療報酬請求の留意事項(2):傷病名、レセプト病名
3  診療報酬請求の留意事項(3):基本診療料、入院基本料
4  診療報酬請求の留意事項(4):医学管理、自動算定
5  診療報酬請求の留意事項(5):在宅医療、在宅療養指導管理料
6  診療報酬請求の留意事項(6):検査、画像診断、病理診断
7  診療報酬請求の留意事項(7):投薬、注射、輸血、血液製剤
8  診療報酬請求の留意事項(8):処置、手術、麻酔
9  診療報酬請求の留意事項(9):リハビリテーション
10 診療報酬請求の留意事項(10):精神科専門療法
11 診療報酬請求の留意事項(11):食事療法、ビタミン剤投与
12 診療報酬請求の留意事項(12):DPC/PDPSについて

 保険医取消の実例紹介のコラム

1  保険医取消の実例:後発医薬品を先発医薬品とする不正請求
2  保険医取消の実例:診療報酬不正請求による逮捕と保険医取消
3  保険医取消の実例:検査結果の廃棄、保険適用外診療の不正請求
4  保険医取消の実例:死亡患者の診療報酬請求、コンタクトの不正
5  保険医取消の実例:鍼灸院や整骨院との不正請求、診療録の不作成
6  保険医取消の実例:監査の不出頭、カルテの改ざんによる取消処分
7  保険医取消の実例:無診察処方、無診察投薬による取消処分
8  保険医取消の実例:個別指導中の医師の入院と指導の延期

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