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個別指導(医科)での検査、画像診断、病理診断のチェックポイントです。保険診療の指導監査の対応は、弁護士にご相談下さい。

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保険診療確認事項リスト(5):検査、画像診断、病理診断

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導の対応業務を行っています。

指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


ここでは、厚生労働省の保険局医療課医療指導監査室が公表した、医科の保険診療確認事項リスト(検査、画像診断、病理診断の部分)をご紹介します。平成30年度改訂版ver.1809に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

また、個別指導については、以下のコラムもご参考下さい。
1 個別指導(医科)の上手な対応法

検査、画像診断、病理診断

 1 必要性が乏しい実施例

□①結果が治療に反映されていない[ 検査 ・ 画像診断 ・ 病理診断 ]
 □ア 検体検査(尿・糞便、血液等)[D000~D002-2][D003][D005~D006-10]
  □・ABO血液型・Rh(D)血液型(輸血の可能性の全くない患者に対して実施している例)[D0
11・1]
 □イ 生体検査(呼吸機能検査・心電図等)[D200~D205][D208]
  □・常用負荷試験(既に糖尿病と確定診断した患者に実施している例) [D288・1]
 □ウ 画像診断(単純X線・CT・MRI・シンチグラム・PET等) [E001][E200][E202][E100]・[E101-2~E101-5]
  □・医学的に必要性がないものについて分割して実施したCT(部位:)
 □エ 病理診断(細胞診・組織診等) [N004]

□②段階を踏んでいない[ 検査 ・ 画像診断 ・ 病理診断 ]
 □ア 検体検査(尿・糞便、血液等)
  □・HbA1c(スクリーニング目的に実施している例) [D005・9]
  □・HIV-1、2抗体価測定(画一的、スクリーニング的に実施している例) [D012・17、18、19]
 □イ 生体検査(呼吸機能検査・心電図等)
 □ウ 画像診断(単純X線・CT・MRI・シンチグラム・PET等)
 □エ 病理診断(細胞診・組織診等) [N004]

□③重複とみなされる[ 検査 ・ 画像診断 ・ 病理診断 ]
 □ア 検体検査(尿・糞便、血液等)
  □・末梢血液像(白血球分画) [D005]
  □・HBs抗原・HCV抗体価 [D013・1、5]
  □・ABO血液型・Rh(D)血液型 (同一患者に2回以上実施している例) [D011・1]
  □・入退院を繰り返している患者に対し、再入院時に再度実施したスクリーニング検査
   □(例:血液型、感染症検査 )
  □・CRPと赤沈(炎症反応を調べるために画一的に併施している例) [D015・1][D005・1]
 □イ 生体検査(呼吸機能検査・心電図等)
 □ウ 画像診断(単純X線・CT・MRI・シンチグラム・PET等)
  □・一連の撮影にもかかわらず、2回目の診断料、撮影料を算定している。
  □・他医療機関で撮影されたものの診断が記載されていない。
 □エ 病理診断(細胞診・組織診等)

□④必要以上に実施回数の多い[ 検査 ・ 画像診断 ・ 病理診断 ]
 □[ 検査 ・ 画像診断 ・ 病理診断 ]は、個々の患者の状況に応じて必要な項目を選択し、必要最小限の回数で実施すること。
 □ 画一的、傾向的な検査を実施し、算定している。
  □ア 検体検査(尿・糞便、血液等)
   □・末梢血液一般検査・末梢血液像 [D005] (例: 回/月 )
   □・血液凝固線溶系検査 [D006] (例: 回/月 )
   □・生化学検査(Ⅰ) [D007] (例: 回/月 )
   □・CRP定性・定量 [D015] (例: 回/月 )
   □・[ セット検査 ・ 前回の検査オーダーのコピー ]で指示しているため、不必要な検査項目まで繰り返し実施している。
    □(例: )
  □イ 生体検査(呼吸機能検査・心電図等)
  □ウ 画像診断(単純X線・CT・MRI・シンチグラム・PET等)
   □・胸部単純X線検査(例: 回/月)[E001]
  □エ 病理診断(細胞診・組織診等)

 2 研究目的の実施例

□① 検体検査(尿・糞便、血液等)
□② 生体検査(呼吸機能検査・心電図等)
□③ 画像診断(単純X線・CT・MRI・シンチグラム・PET等)
□④ 病理診断(細胞診・組織診等)

 3 健康診断の実施例

□・症状等のない患者の希望に応じて実施した腫瘍マーカー([ CEA ・ PSA精密測定 ])[D009・2、8]

 4 その他不適切な実施例

□① 尿中一般物質定性半定量検査 [D000]
 □・当該医療機関外で実施された検査について算定している。

□② [ 尿沈渣(鏡検法) ・ 尿沈渣(フローサイトメトリー法) ] [D002][D002-2]
 □・尿中一般物質定性半定量検査もしくは尿中特殊物質定性定量検査において何らかの所見が認められた場合、又は診察の結果から実施の必要があると考えられる場合ではないにもかかわらず実施している。
 □・当該医療機関外で実施された検査について算定している。
 □・尿路系疾患が強く疑われる患者について、尿沈渣(鏡検法)を衛生検査所等に委託したが、[ 当該衛生検査所等が採尿後4時間以内に検査を行っていない ・検査結果が速やかに当該診療所に報告されていない ]。

□③ 腫瘍マーカー検査 [D009]
 □・診察及び他の検査・画像診断等の結果から悪性腫瘍の患者であることが強く疑われる者以外の者に対して実施している。
 □・初診時に画一的な検査をしている。

□④ インフルエンザウイルス抗原定性 [D012・23]
 □・発症後48時間経過後に実施したものを算定している。

□⑤ 呼吸心拍監視 [D220]
 □・診療録に観察した呼吸曲線、心電曲線、心拍数のそれぞれの観察結果の要点の記載が[ ない ・ 不十分である ]。
 □・重篤な心機能障害若しくは呼吸機能障害を有する患者、又はそのおそれのある患者以外の患者に対して実施している。
 □・閉鎖式循環式全身麻酔と同一日に行った場合に算定している。
 □・算定の起算日が誤っている。

□⑥ 経皮的動脈血酸素飽和度測定 [D223]
 □・酸素吸入を[ 行っていない ・ 行う必要のない ]患者、又はその他の要件にも該当しない患者に対して算定している。

□⑦ 脳波検査判断料[ 1 ・ 2 ] [D238]
 □・脳波検査判断料1について、脳波診断を担当した経験を5年以上有する医師が脳波診断を行っていない。
 □・脳波検査判断料1について、脳波診断の結果を文書により当該患者の診療を担当する医師に報告していない。

□⑧ 神経学的検査 [D239-3]
 □・神経学的検査チャートに記載していない。
 □・神経学的検査について、別紙様式19(又は別紙様式19-2)に示された項目のうち一部分しか実施していない。

□⑨ 眼科学的検査 [D255~D282-3]
 □・コンタクトレンズの装用を目的に受診した患者に対して行った検査について、各検査項目を個別に算定している。

□⑩ 発達及び知能検査・人格検査・認知機能検査その他の心理検査 [D283][D284][285]
 □・診療録に分析結果を記載していない。
 □・基本診療料に含まれる検査について算定している。

□⑪ 画像診断 [第2章第4部]
 □・単純撮影( )の写真診断について、診療録に診断内容の記載がない。
 □・コンピューター断層撮影( CT ・ MRI ・他医撮影 )について、診療録に診断内容の記載がない。

□⑫ 画像診断管理加算[ 1 ・ 2 ・ 3 ] [第2章第4部通則4・5]
 □・(画像診断管理加算1については、地方厚生(支)局長に届け出た)専ら画像診断を担当する常勤の医師が読影及び診断した結果について、文書により当該患者の診療を担当する医師に報告していない。
 □・(画像診断管理加算1については、地方厚生(支)局長に届け出た)専ら画像診断を担当する常勤の医師以外が読影及び診断をしている。
 □・報告文書又はその写しを診療録に貼付していない。

□⑬ 病理組織標本作製 [N000]
 □・リンパ節の臓器としての数え方が不適切である。

□⑭ 細胞診 [N004]

□⑮ 病理診断管理加算[ 1 ・ 2 ][N006]
 □・病理診断を専ら担当する常勤の医師以外が病理診断を行っている。

□⑯ 病理判断料 [N007]
 □・診療録に病理学的検査の結果に基づく病理判断の要点の記載がない。

□⑰ 算定要件を満たさない[ 検査 ・ 画像診断 ・ 病理診断 ]の実施例
 □・外来迅速検体検査加算について、[ 当日中に説明 ・ 文書による情報提供 ]を行っていない。
 □・クレアチニン〔D007・1〕
  □・ヤッフェ法を用いて実施した場合に算定している例が認められたので改めること。
 □・シスタチンC [D007・33]
  □・尿素窒素又はクレアチニンにより腎機能低下が疑われた場合に、3月に1回に限り算定できることに留意すること。
 □・脳性Na利尿ペプチド(BNP) [D008・16]
  □心不全の診断又は病態把握のために実施した場合に月1回に限り算定できることに留意すること。
 □・TRACP-5b(骨型酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ) [D008・23]
  □「その後6月以内の治療経過観察時の補助的指標として実施した場合」に該当しない例が認められたので改めること。
 □・I型コラーゲン架橋C-テロペプチド-β異性体(β-CTX) [D008・29]
  □・6月以内に2回算定している。
 □・ヘリコバクター・ピロリ抗体定性・半定量 [D012・9]
  □・ヘリコバクター・ピロリ感染の除菌前の感染診断については、内視鏡検査又は造影検査において、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者、内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者のうち、ヘリコバクター・ピロリ感染が疑われる患者に対して算定すること。
 □・アスペルギルス抗原 [D012・27]
  □・侵襲性肺アスペルギルス症の診断のために実施した場合にのみ算定できることに留意すること。
 □・サイトメガロウイルスpp65抗原定性 [D012・48]
  □・臓器移植後若しくは造血幹細胞移植後の患者又はHIV感染者又は高度細胞性免疫不全の患者以外に対して測定している。
 □・抗シトルリン化ペプチド抗体[ 定性 ・ 定量 ] [D014・23]
  □・関節リウマチと確定診断できない者に対して診断の補助として検査を行った場合、原則として1回を限度として算定すること。
  □・検査結果が陰性の場合においては3月に1回に限り算定できることに留意すること。
  □・検査を2回以上算定する場合、検査値を診療報酬明細書の摘要欄に記載していない。
 □・抗好中球細胞質ミエロペルオキシダーゼ抗体(MPO-ANCA) [D014・31]
  □・急速進行性糸球体腎炎の診断又は経過観察のために測定した場合に算定すること。
 □・結核菌特異的インターフェロン-γ産生能 [D015・28]
  □・診察又は画像診断等により結核感染が強く疑われる患者以外に対して測定している。
 □・残尿測定検査(導尿によるもの) [D216-2・2]
  □・対象患者ではない患者について算定している。
 □・平衡機能検査 [D250]
  □・標準検査を行った上で実施の必要性が認められたもの以外に実施した重心動揺計検査について算定している。
 □・[ ポジトロン断層撮影 ・ ポジトロン断層・コンピューター断層複合撮影 ] [E101-2][E101-3]
  □・てんかんの診断又は悪性腫瘍(早期胃癌を除き、悪性リンパ腫を含む。)の病期診断及び転移・再発の診断を目的とした場合に限り算定できることに留意すること。


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