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厚生局の個別指導での、訪問看護指示料、在宅患者訪問診療料の指摘事項です。指導監査に臨む医師の方は、個別指導、監査に強い弁護士にご相談下さい。

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東北厚生局の個別指導(17):在宅患者訪問診療料、訪問看護指示料

個別指導と監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。


ここでは、東北厚生局の医科の個別指導での指摘事項(在宅医療、往診料、在宅患者訪問診療料、在宅時医学総合管理料、訪問看護指示料、在宅療養指導管理料、在宅療養指導管理材料加算)をご説明します。 指摘事項は、東北厚生局の公表資料「平成27年度に実施した個別指導において保険医療機関(医科)に改善を求めた主な指摘事項(東北厚生局,平成29年2月)」に基づいています。

個別指導、監査に臨む医師の方は、指導監査に詳しい弁護士への相談をお勧めします。個別指導、監査には、弁護士を立ち会わせるべきです。詳しくは以下のコラムをご覧いただければ幸いです。

 【コラム】個別指導と監査の上手な対応法


5 在宅医療


 1 在宅患者診療・指導料

@ 往診料
ア 往診料は、患家の求めに応じて患家に赴き診療を行った場合に算定できるものであり、定期的又は計画的に患家に赴いて診療を行った場合には算定できないことに十分留意すること。
イ 患家の求めがあった旨を診療録に記載すること。
ウ 保険医療機関の所在地と患家の所在地との距離が16km を超える往診又は訪問診療(絶対的な理由はない。)を行い、再診料等で算定しているものが認められたので改めること。
エ 緊急往診加算について、算定要件を満たしていないものが認められたので改めること。(急性心筋梗塞、脳血管障害、急性腹症等加算の対象となる緊急な場合とは認められないもの。)

A 在宅患者訪問診療料
ア 訪問診療の計画及び診療内容の要点、訪問診療の開始時刻、終了時刻及び診療場所の診療録への記載が不十分な例が認められたので改めること。また、新たに在宅患者訪問診療を開始する場合には、患者又は家族等の署名のある訪問診療に係る同意書の作成及び診療録への添付が必要であることに留意すること。
イ 訪問診療の計画等の必要事項について診療録への記載の充実を図ること。
ウ 診療録に訪問診療の計画及び診療内容の要点を明確に記載すること。なお、要介護被保険者等の確認を行い、確認した内容を診療録に記載するよう努めること。(保険医療機関及び保険医療養担当規則第3条の2)
エ 診療録に診療内容の要点記載が画一的であるので、患者個々の状態により記載すること。また、訪問診療の計画記載について、人工透析により通院中の患者への訪問が必要な理由を明確に記載すること。
オ 在宅ターミナルケア加算は、死亡日及び死亡日前14 日以内の計15 日間に2回以上往診又は訪問診療を行った患者が、在宅で死亡した場合に算定できるものであるが、死亡日及び死亡日前14 日以内の計15 日間に2回以上往診又は訪問診療を行わず算定した例が認められたので改めること。

B 在宅時医学総合管理料
ア 診療録に在宅療養計画及び説明の要点等の記載が画一的であるので、患者個々の状態により記載すること。また、診療録に在宅療養計画及び説明の要点等の記載がないものが認められたので改めること。

C 特定施設入居時等医学総合管理料
ア 診療録への在宅療養計画の記載内容が不十分な例が認められたので改めること。

D 在宅患者訪問看護・指導料、同一建物居住者訪問看護・指導料
ア 保健師、助産師、看護師又は准看護師による患者の状態並びに行った指導及び看護の要点を記載した記録とは別に、保険医療機関における日々の訪問看護・指導を実施した患者氏名、訪問場所、訪問時間(開始時刻及び終了時刻)及び訪問人数等についての記録を適切に整備すること。
イ 要介護被保険者等である場合、医療保険と介護保険の給付調整に留意すること。

E 在宅患者訪問点滴注射管理指導料
ア 在宅患者訪問点滴注射管理指導料及び訪問看護指示料等について、電子的に保存している診療録の場合は、各指示書等の原本(押印のあるもの)の写しを保管すること。
イ 在宅患者訪問点滴注射管理指導料には、必要な回路等の費用が含まれており、別途、患者から実費徴収はできないので留意すること。
ウ 在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定するにあたっては、看護師からの報告内容を診療録に明確に記載すること。

F 訪問看護指示料
ア 訪問看護指示書の留意事項及び指示事項の記載が乏しいものが認められたので改めること。
イ 訪問看護指示書の作成にあたり、日常生活自立度(寝たきり度、認知症の状況)の記載が不十分なので改めること。
ウ 電子的に保存している診療録の場合は、交付文書の原本(押印のあるもの)の写しを保管すること。
エ 特別訪問看護指示加算について、別に厚生労働大臣が定める者以外の患者に、誤って月2回算定しているものが認められたので改めること。

G 介護職員等喀痰吸引等指示料
ア 交付した指示書の作成年月日の記載もれが認められたので改めること。

H 在宅患者緊急時等カンファレンス料
ア 診療録に当該カンファレンスに参加した医療関係職種等の氏名、カンファレンスの要点、患者に行った指導の要点及びカンファレンスを行った日を記載していない例が認められたので改めること。

 2 在宅療養指導管理料

在宅療養指導管理料について次の事例が認められたので改めること。
 例:当該在宅療養を指示した根拠、指示事項(方法、注意点、緊急時の措置)、指導内容の要点の診療録への記載がない又は不十分な例
  :算定する旨の記載がない例
  :指導内容を詳細に記載した文書を作成し患者に交付していない例

@ 在宅自己注射指導管理料
ア 在宅自己注射の導入前に、入院又は週2回以上の外来、往診若しくは訪問診療により、医師による教育期間や指導を行っていない場合に算定している例

A 在宅酸素療法指導管理料
ア 在宅酸素療法指導管理料(その他の場合)を算定するにあたって、対象となる患者の要件について十分に留意していない例
イ 酸素飽和度の測定結果を診療録に記載していない例

B 在宅自己導尿指導管理料
ア 対象となる患者への指導を充実するよう改めていない例

C 在宅人工呼吸指導管理料
ア 診療録に指導管理の内容の記載がない例

 3 在宅療養指導管理材料加算

@ 血糖自己測定器加算
ア 自己測定の記録(回数)が確認できない例
イ 患者に交付した文書が適切に保管されていない例
ウ 血糖自己測定器加算に係る自己測定の記録が適切に管理されていない例(記録結果の評価に基づく指導管理の充実を図ること。)
エ 算定している自己測定の回数より、実際に測定している自己測定の回数が少ない例
オ 実際に測定した回数と異なる回数で算定している例


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個別指導、監査のコラム


厚生局の指導監査の弁護士のコラム一覧です。
個別指導、監査の際にご活用下さい。

 東北厚生局の個別指導のコラム

平成26年度
1  東北厚生局の個別指導(1):診療録、電子カルテ
2  東北厚生局の個別指導(2):傷病名
3  東北厚生局の個別指導(3):初診料、再診料、外来管理加算
4  東北厚生局の個別指導(4):医学管理料、診療情報提供料
5  東北厚生局の個別指導(5):在宅医療、往診料、訪問診療料
6  東北厚生局の個別指導(6):血液化学検査、腫瘍マーカー
7  東北厚生局の個別指導(7):禁忌投与、適応外投与、漫然投与
8  東北厚生局の個別指導(8):注射、リハビリテーション
9  東北厚生局の個別指導(9):精神科専門療法、処置、麻酔
10 東北厚生局の個別指導(10):看護、看護記録、看護計画
11 東北厚生局の個別指導(11):入院時食事療養、入院時生活療養
12 東北厚生局の個別指導(12):届出事項、掲示事項、一部負担金

平成27年度
13 東北厚生局の個別指導(13):診療録、電子カルテ
14 東北厚生局の個別指導(14):傷病名
15 東北厚生局の個別指導(15):初診料、再診料、入院料
16 東北厚生局の個別指導(16):特定疾患療養管理料
17 東北厚生局の個別指導(17):在宅患者訪問診療料
18 東北厚生局の個別指導(18):検体検査実施料、生体検査料
19 東北厚生局の個別指導(19):処方料、処方せん料
20 東北厚生局の個別指導(20):注射、リハビリテーション
21 東北厚生局の個別指導(21):皮膚科処置、皮膚科軟膏処置
22 東北厚生局の個別指導(22):麻酔管理料、神経ブロック
23 東北厚生局の個別指導(23):診療報酬請求、請求事務
24 東北厚生局の個別指導(24):保険外負担、診断群分類

 保険医取消の実例紹介のコラム

1  保険医取消の実例:後発医薬品を先発医薬品とする不正請求
2  保険医取消の実例:診療報酬不正請求による逮捕と保険医取消
3  保険医取消の実例:検査結果の廃棄、保険適用外診療の不正請求
4  保険医取消の実例:死亡患者の診療報酬請求、コンタクトの不正
5  保険医取消の実例:鍼灸院や整骨院との不正請求、診療録の不作成
6  保険医取消の実例:監査の不出頭、カルテの改ざんによる取消処分
7  保険医取消の実例:無診察処方、無診察投薬による取消処分
8  保険医取消の実例:個別指導中の医師の入院と指導の延期

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