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投薬、注射、輸血、血液製剤の診療報酬請求での留意事項をご説明します。個別指導、監査にお悩みの医師の方は、指導監査に強い弁護士にご相談下さい。

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7 診療報酬請求の留意事項(7):投薬、注射、輸血、血液製剤

医科の指導監査に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、個別指導と監査の対応業務を行っています。

個別指導、監査には、弁護士を同席させるべきです。まずはご相談下さい。


弁護士鈴木が力を入れている指導監査のコラムです。

ここでは、医科診療報酬請求の留意事項(投薬、注射、輸血、血液製剤)についてご説明を致します。 内容は、厚生労働省保険局医療課医療指導監査室の公表資料「保健診療の理解のために【医科】(平成28年度)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

個別指導、監査に悩んでいる医師の方は、指導、監査に詳しい弁護士への速やかな相談をお勧めします。個別指導、監査においては、弁護士を立ち会わせるべきです。以下のコラムもご覧いただければ幸いです。

 指導監査のコラム

1  個別指導と監査の上手な対応法

第7 投薬・注射


○ 薬剤の使用に当たっては、医薬品医療機器等法承認事項(効能・効果、用法・用量、禁忌等)を遵守する。

 1 実施方針について

@ 患者を診察することなく投薬、注射、処方せんの交付はできない。(療担第 12条、医師法第 20 条)

A 保険診療においては、厚生労働大臣の定める医薬品以外の薬剤を用いることはできない。(療担第 19 条)

B 経口投与を原則とし、注射は、経口投与では治療の効果が期待できない場合や、特に迅速な治療効果を期待する場合に行う。(療担第 20 条第4号)

C 投薬日数は、医学的に予見することができる必要期間に従ったもの、又は症状の経過に応じたものでなければならない。また、投与期間に上限が設けられている医薬品は、厚生労働大臣が定めるものごとに1回14日分、30日分又は90日分を限度とされている。(療担第 20 条第2号)

D 投薬及び処方せんの交付を行うに当たっては後発医薬品(ジェネリック医薬品)の使用を考慮するとともに、患者に後発医薬品を選択する機会を提供すること等、患者が後発医薬品を選択しやすくするための対応に努めなければならない。(療担第 20 条第2号)、また、注射を行うに当たっては、後発医薬品の使用を考慮するよう努めなければならない。(療担第 20 条第4号)

 2 後発医薬品の使用促進

 保険診療に際しては、前項Dのとおり後発医薬品の使用努力を療養担当規則で規定している。

(処方せん様式)
・医師は、個々の医薬品について後発医薬品への変更に差支えがあると判断した場合には、その旨を明示する。この場合、「保険医署名」欄に、署名又は記名・押印する。
・医師が処方せんを交付する際、後発医薬品のある医薬品について一般名処方が行われた場合には加算(処方せん料の一般名処方加算)が設けられている。
・なお、保険薬局の保険薬剤師は、@「保険医署名」欄に処方医の署名等がないなど後発医薬品への変更調剤が可能な処方せんや、A一般名処方に係る処方せんを受け付けた場合、患者に対して後発医薬品に関する説明を適切に行うとともに、記載された先発医薬品に代えて、後発医薬品を調剤するよう努めなければならない。

(後発医薬品使用体制加算)
・医療機関における後発医薬品の使用を進めるため、後発医薬品の品質、安全性、安定供給体制等の情報を収集・評価した上で、薬剤料を包括外で算定している入院患者に対して、後発医薬品の使用を促進する体制の評価を行っている。

 3 治療目的でないうがい薬

 治療目的でなくうがい薬のみが処方される場合については、当該うがい薬にかかる処方料、調剤料、薬剤料、処方せん料、調剤技術基本料を算定しない。

 4 70枚を超える湿布薬の投薬

 1処方につき 70 枚を超えて湿布薬を投薬した場合、調剤料、処方料、薬剤料、処方せん料、調剤技術基本料を算定しない。ただし、医師が疾患の特性等により必要性があると判断し、やむを得ず 70 枚を超えて投薬する場合、その理由を処方せん及び診療報酬明細書に記載することで算定可能。  

 5 不適切な投薬・注射の具体例

@ 禁忌投与
・静注用脂肪乳剤を血栓症の患者やケトーシスを伴った糖尿病の患者に投与

A 適応外投与
・肝庇護剤(グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤、グルタチオン製剤等)を薬剤性肝障害、術後肝障害等の患者に使用

B 用法外投与
・外用の適応のない抗菌薬等(アミノグリコシド等)をネブライザーによる吸入や手術時の局所洗浄等で使用
・腹腔内投与の適応のない抗がん剤を、腹腔内撒布

C 過量投与
・蕁麻疹に対するグリチルリチン・グリシン・システイン配合剤の常用量を超える投与

D 重複投与(同様の効能効果、作用機序をもつ薬剤の併用)
・プロトンポンプ・インヒビターを経口と注射の両方で使用
・総合ビタミン剤と内容の重複する他の各種ビタミン剤の併用

E 多剤投与(作用機序の異なる薬剤を併用)
・医学的に妥当とは考えられない組み合わせによる各種抗菌薬等の併用
・必要性に乏しい抗不安薬あるいは睡眠薬の 3 種類以上の併用

F 長期漫然投与
・各種抗菌薬等(特に投与期間が定められている抗菌薬等)
・効果が認められないのに月余にわたり漫然と投与されたメコバラミン製剤

第8 輸血・血液製剤


 患者等に対し、文書により輸血の必要性、副作用、輸血方法、その他の留意点等について、あらかじめ説明するとともに、同意を得る。また、その文書には患者の署名または押印を得て、患者に交付し、写しを診療録に添付する。

(血液製剤等の使用方針)
 血液製剤の国内自給率は平成 25 年度においてアルブミン製剤 58.7%、免疫グロブリン製剤 95.9%、血漿由来の血液凝固因子製剤と赤血球、血小板、FFP といった輸血用血液製剤は 100%である。血液製剤の自給率は各国 100%を目指すこととなっているため今後アルブミン製剤や免疫グロブリン製剤はさらなる適正使用が求められる。
 赤血球濃厚液、新鮮凍結血漿、アルブミン製剤、凝固因子製剤等の使用に当たっては、薬事・食品衛生審議会の専門家により策定された『血液製剤の使用指針』(平成28 年 6 月 14 日改正)、『輸血療法の実施に関する指針』(平成 26 年 11 月 12 日改正)の規定を遵守し、適正な使用を行う必要があり、保険診療上も指針の遵守が算定要件となっている。これらの各種指針については、院内の輸血管理部門等が中心となり、医師等への情報提供や啓発等に努める必要がある。


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指導監査のコラム


指導監査に関するコラムです。
個別指導、監査の際に、また日常の医院運営にご活用下さい。

 診療報酬請求の留意事項のコラム

1  診療報酬請求の留意事項(1):診療録(カルテ)
2  診療報酬請求の留意事項(2):傷病名、レセプト病名
3  診療報酬請求の留意事項(3):基本診療料、入院基本料
4  診療報酬請求の留意事項(4):医学管理、自動算定
5  診療報酬請求の留意事項(5):在宅医療、在宅療養指導管理料
6  診療報酬請求の留意事項(6):検査、画像診断、病理診断
7  診療報酬請求の留意事項(7):投薬、注射、輸血、血液製剤
8  診療報酬請求の留意事項(8):処置、手術、麻酔
9  診療報酬請求の留意事項(9):リハビリテーション
10 診療報酬請求の留意事項(10):精神科専門療法
11 診療報酬請求の留意事項(11):食事療法、ビタミン剤投与
12 診療報酬請求の留意事項(12):DPC/PDPSについて

 保険医取消の実例紹介のコラム

1  保険医取消の実例:後発医薬品を先発医薬品とする不正請求
2  保険医取消の実例:診療報酬不正請求による逮捕と保険医取消
3  保険医取消の実例:検査結果の廃棄、保険適用外診療の不正請求
4  保険医取消の実例:死亡患者の診療報酬請求、コンタクトの不正
5  保険医取消の実例:鍼灸院や整骨院との不正請求、診療録の不作成
6  保険医取消の実例:監査の不出頭、カルテの改ざんによる取消処分
7  保険医取消の実例:無診察処方、無診察投薬による取消処分
8  保険医取消の実例:個別指導中の医師の入院と指導の延期

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