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患者トラブルのコラムです。医科での患者とのトラブル対応は、医師のための弁護士、サンベル法律事務所に迷わずご相談下さい。

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医師の応招義務

医師のトラブルを解決する、医療機関側の弁護士です。
患者とトラブルになり、対応にお悩みの医師の方は、迷わずご相談下さい。

弁護士鈴木が力を入れている医院法務に関するコラムです。
ここでは、医科のトラブル、患者トラブルの対応法などについてお話をします。

 応招義務に関するトラブル

医科の応招義務の患者トラブルについて、代表的なケースをご説明します。医療機関の従事者にとって、患者の受診を断ることは勇気がいることと拝察しますが、受診を断るべき場合はきちんと断ることが望まれます。

1 治療費を支払わない患者への応招義務

診療を行い、治療費を請求しても、理由をつけて支払わず、にもかかわらず、継続して通院してくる患者が稀にいます。
催促をしても未払い分を支払ってくれない場合、医師としては、患者の治療の継続を拒みたいところです。

患者の受診を拒めるか否かについて、医師法19条1項が「診療に従事する医師は、診療治療の求があった場合には、正当な理由がなければ、これを拒んではならない。」と定めており、係る応招義務との関係が問題となります。

詳細は拙著『困っていませんか?こんな患者さんとのトラブル&ハプニング』を参照いただければ幸甚ですが、結論としては、医師が支払いを繰り返し催促し、にもかかわらず、合理的な理由もなく支払いをしない患者の場合は、特段の事情のない限り、診療を拒否できる正当な理由があるというべきです。

治療費を合理的な理由もなくいっこうに支払わない患者であり、重篤な症状で直ちに治療が必要な状況にもないとすれば、未払い分を支払うまで、医師は患者の受診を断って差し支えありません。
もっとも、合理的な理由なく治療費をいっこうに支払わず、にもかかわらず診療を求めてくる患者ですから、受診拒否は、患者トラブルに発展するリスクがあります。しかし、いってみればお店で代金を支払わずに商品を要求する行為であり、これはおかしなことですので、トラブルを恐れず、明確に毅然と受診を断る対応をお勧めします。

2 診療時間外の患者への応招義務

医院の診療時間外、例えばお昼休みや夜などに、診療を求め来院してくる患者が稀にいます。
診療時間外の診療には基本的に応じない方針の医院の場合、入口のドアを閉め診療時間外であることを明示するなどし、患者からの診療時間外のアプローチに対応しないことが、患者トラブルを避けるために最も有効です。

とはいえ、ドアを繰り返しノックされるなどし、応答せざるを得ない場合もあります。その場合は、再度の来院を促すなどすることになりますが、患者が受診を強く求めてきた場合に、診療時間外を理由に診療を拒否できるのか、上記の医師法19条1項の応招義務との関係で問題となります。

結論としては、診療時間外に来院した患者に対しては、特段の事情のない限り、診療を拒否できる正当な理由があるというべきです。

そこで、診療時間外に来院した患者に対しては、診療時間内にあらためて受診するよう促せばよい、ということになります。ただし、患者の状況によっては、診療体制のある他の医院を受診するよう指示するなどすることが求められる場合も考えられます。
診療時間内の再訪を促す際には、その患者との信頼関係を維持ないし構築し、トラブルを予防するため、診療時間外の来訪に腹を立てずに、その患者に懇切丁寧な説明を行うことが重要です。

3 外国人の患者への応招義務

外国人旅行客などで、日本語ができない患者が、診療を求めて来るケースが稀にあります。
日本語ができない患者について、診療を拒否して良いか、上記の医師法19条1項の応招義務との関係で問題となります。

結論としては、外国人に対しても応招義務はありますが、日本語ができないなどの理由により、医師との意思疎通が困難である場合は、治療について説明しても理解し納得してもらうことなどができないため、原則として診療を拒否する正当な理由があるというべきです。

そこで、外国人旅行客などで、日本語ができない患者に対しては、医院の受診を断って差し支えない、ということになります。患者の状況によっては、当該言語などに対応できる医療機関を紹介し、受診を促すことが望ましい場合もあるでしょう。そのような場合に備え、医院に言語別紹介先医療機関の一覧を備え置くことも検討して良いと思います。
受診を断る際には、トラブルを避けるため、ジェスチャーなどを利用し、患者の納得の獲得に努力することが重要です。

患者トラブルの現場対応法

 保険証を忘れた患者とのトラブル

医院の患者で、保険証を持参せずに受診を求めてくる場合が稀にあります。
初診の患者で、保険証を忘れ、にもかかわらず保険での受診を求められた場合の対応は、医師の考え方によりそれぞれ異なっているという印象です。受診を断り保険証を持参しての再訪を求める医院もあれば、自費診療での受診となることを説明する医院もあり、あるいはサービスで後日の払い戻し手続きに応じる医院もあるようです。

法的には、保険証を持参しない患者は、自費診療で受診させることで問題なく、患者が応じない場合は、保険証を持参しての再訪を提案すれば良いということになります。
以上の対応で納得せず、引き下がらない患者の場合は、トラブルがちな患者の可能性があり、トラブルがちな患者に対しては、サービスで特別対応をすると、味をしめて、過剰な要求を繰り返す傾向があります。トラブルがちな患者に対しては、今後のトラブルを避けるためにも、原則どおりの対応をすべきです。

なお、院長などの医師が対応に出ていくと、患者が特別対応を期待し要求を強めることが多く、粘られますので、この種のケースでは、必要に応じ報告は受けつつも、受付スタッフに対応を完遂させることが、トラブルに発展させないために望ましいでしょう。

 患者トラブル対応のポイント

患者トラブルについて、対応のポイントをご説明します。

1 患者の対応窓口

患者から、患者の配偶者や子供、親、あるいは第三者をやり取りの窓口として欲しいと申し込まれることがあります。
しかし、第三者の介在は、紛争の解決に繋がらないケースが多く、また、本人の正確な意思確認が行われるか、といった問題もあります。
そのため、患者の窓口担当者が弁護士である場合を除き、患者本人を連絡窓口とさせるべきです。

2 患者との面談場所

患者トラブルの際の面談場所は、医院など、院長が指定した場所で行うべきです。
患者が指定した場所で行うことは、リスクが高く、避けるべきです。患者の自宅などはもちろん、ホテルのロビーやファミリーレストランなど、公共の場所を指定されても、そこで面談が行われるとは限りません。患者指定の場所に出向いて面談することは、長時間拘束されるなどの可能性が排除できず、慎重に考えて下さい。

3 患者との面談方法

トラブルでの患者との面談は、医院側は、看護師などを同席させ、複数名で対応して下さい。
面談では、患者に対し、時間制限を最初に伝えるべきです。患者に粘られた際に、切り上げやすくなります。
医療過誤などの深刻な患者トラブルの場合は、面談の内容は、録音する旨を患者に告げた上で、ICレコーダーで録音して下さい。患者の脅迫行為や暴力行為などが抑制されます。


患者トラブルにお悩みの医師の方は、迷わずお電話を下さい。取るべき対応や留意点などを具体的にアドバイス致します。


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