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診療報酬不正請求により保険医取消となった医師への、医道審議会での行政処分をご説明します。医道審議会(医科)のサポートは、医道審議会に強いサンベル法律事務所にご相談下さい。

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5 不正請求による保険医取消の医師への医道審議会の行政処分

医師の行政処分に強い、弁護士の鈴木陽介です。

サンベル法律事務所は、全国からご依頼を頂き、医師の医道審議会の対応サポート・同席など対応しています。


弁護士鈴木が力を入れている医道審議会に関するコラムです。

まず医師への行政処分、医道審議会のコラムの一覧をご紹介します。その上で、診療報酬不正請求による保険医取消処分への医道審議会の考え方、指定医の指定取消処分への医道審議会の考え方についてご説明を致します。内容は、厚生労働省の医道審議会医道分科会の公表資料「診療報酬の不正請求により保険医等の取消処分を受けた者に対する医師法及び歯科医師法による行政処分について(平成24年3月4日,医道審議会医道分科会)」及び「法律に基づく特別の指定を受けた医師又は歯科医師であって当該法律に基づく処分を受けた者に対する医師法又は歯科医師法に基づく行政処分について(平成27年9月30日,医道審議会医道分科会)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜編集等しています。

 医師への行政処分、医道審議会のコラム

1  医道審議会での医師への行政処分、処分者
2  医道審議会の行政処分の考え方(1):基本的な考え方
3  医道審議会の行政処分の考え方(2):医師法違反 交通事犯
4  医道審議会の行政処分の考え方(3):わいせつ行為 税法違反
5  不正請求による保険医取消の医師への医道審議会の行政処分

 医道審議会、行政処分の判例のコラム

1  医道審議会の判例(1):行政処分(医師免許取消)の取消訴訟
2  医道審議会の判例(2):行政処分(医業停止)の執行停止
3  医道審議会の判例(3):行政処分(医師免許取消)の執行停止
4  医道審議会の判例(4):行政処分(医業停止)の仮の差止め
5  医道審議会の判例(5):医業停止期間経過後の訴えの利益

保険医取消処分への医道審議会の考え方


 医道審議会の平成24年3月4日付の考え方

〇 不正額に関わらず一定の処分内容とする 
 診療報酬の不正請求により保険医等の登録の取消処分を受けた者に対する医師法及び歯科医師法上の行政処分については、基本的には不正請求額などに応じてその処分内容を決定してきたところであり、この考え方については、平成14年12月に本分科会でとりまとめて「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」として公表しています。
 診療報酬の不正請求は、医師、歯科医師に求められる職業倫理の基本を軽視し、国民の信頼を裏切り、国民の財産を不当に取得しようというものであり、国民皆保険制度の根本に抵触する重大な不正行為です。
 保険医等の取消処分の決定においては、不正請求額の多寡に関わらず取消の期間は一定となっているという事実があります。一方、医師法等の行政処分は、不正請求額などに応じた取扱いをしていますが、「過失の度合いを行政処分に適正に反映することが困難である」、「複数の医師が関与した事案については、個々の医師の過失の度合いが適正に把握できない」といった課題もあります。
 このため、医師法等の行政処分についても、診療報酬の不正請求により保険医等の取消処分を受けた事案については、当該不正請求を行ったという事実に着目し、原則として、不正額の多寡に関わらず、一定の処分内容とすることが適当との結論に達したところです。
 これにより、本日から上記の考え方に基づき厚生労働大臣からの諮問案件について審議を行い、答申したものです。

指定医の指定取消処分への医道審議会の考え方


 医道審議会の平成27年9月30日付の考え方

〇 指定医の指定取消処分も行政処分の対象とする
 医師法及び歯科医師法に基づく免許の取消し等の行政処分については、医師法第7条等の規定を満たすものについて行われており、特に医師法第7条第2項及び歯科医師法第7条第2項の処分基準である「相対的欠格事由に該当する場合」及び「医師としての品位を損するような行為があった場合」の考え方については、「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」(平成14年12月13日医道審議会医道分科会定め。以下 「行政処分の考え方」といいます。)に記載・公表されています。
 この行政処分の考え方は、事案に個別性があることを踏まえ、医道審議会における公正かつ適切な審議を期すために一定の考え方を示したものであることから、「事案別考え方」に記載されていない違反・不正行為の類型についても、医師法第7条第2項又は歯科医師法第7条第2項を構成する「基本的考え方」を満たすものであれば、当然に両法に基づく行政処分の対象とされうるものです。このため、より公正な審議を期すために新たな考え方の記載を明確化すべき場合には、行政処分の考え方に追記されていくべきものであり、行政処分の考え方においても、「必要に応じて、当分科会の議論を経ながら見直しを図っていくものとする」とされています。
 平成24年の行政処分の考え方の見直しにおいては、診療報酬の不正請求による保険医の登録取消し等の処分内容を、不正額の多寡に関わらず一定とすることが適当との結論に達したことから、「事案別考え方」を修正する見直しを行っていますが、保険医と同様、法律に基づき特別な社会的責務を負うものとして厚生労働大臣、都道府県知事等から指定等されている医師(精神保健指定医、難病患者医療法に基づく指定医、児童福祉法に基づく指定医等)についても、当該身分に認められた業務、求められる倫理等を逸脱して法違反・不正等を行い、これらの指定取消等の処分を受けた者については、その注意義務等の程度に応じて、医師法第4条第4号及び歯科医師法第4条第4号における「医事に関し犯罪又は不正行為のあつた者」及び行政処分の考え方における「基本的考え方」に掲げる職業倫理に反する行為のうち「医師、歯科医師が、その業務を行うに当たって当然に負うべき義務を果たしていないことに起因する行為」を行った者に該当するものとして、医師法又は歯科医師法上の行政処分の対象の適否が検討されることが適当です。
 このように、当該指定取消等の処分を受けた者については、行政処分の考え方の「基本的考え方」に照らして行政処分の対象となるものではありますが、前述のとおり、行政処分の考え方は追記・見直しが図られるものとされていることを踏まえ、このような考え方を行政処分の考え方に明記の上、公表するものとします。


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