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医療機関が病院不動産のリートを活用する場合の留意事項(ガイドライン)をご説明します。医療法人のリートは、サンベル法律事務所にご相談下さい。

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2 病院不動産のリートのガイドライン(2)

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弁護士鈴木が力を入れている医療法人に関するコラムです。


ここでは、医療法人のコラムの一覧をご紹介の上で、病院不動産を対象とするリートに係るガイドラインの行政通知のご説明を致します。内容は、厚生労働省の公表資料「医療機関が病院不動産を対象とするリートを活用する場合の留意事項について(医政総発0626第4号,医政支発0626第1号,平成27年6月26日)」に基づいており、弁護士鈴木が適宜加筆修正等しています。

 医療法人のコラム

1  病院不動産のリートのガイドライン(1):留意事項

2  病院不動産のリートのガイドライン(2):ガイドライン

3  病院不動産のリートのガイドライン(3):行政の連絡体制

4  国家戦略特別区域の医療法人の認可と非営利性

病院不動産を対象とするリートのガイドライン(1)


病院不動産を対象とするリートに係るガイドライン
平成27年6月26日
国土交通省
土地・建設産業局

 1 目的

産業競争力の強化に関する実行計画(平成26年1月24日閣議決定)(以下単に「実行計画」という。)においては、 「戦略市場創造プラン」関連として、「平成42年には、予防サービスの充実等により、国民の医療・介護需要の増大をできる限り抑えつつ、より質の高い医療・介護を提供することにより、国民の健康寿命が延伸する社会を目指すべきである。」とされており、施策項目「安心して歩いて暮らせるまちづくり」の中で、病院(自治体病院を含む)を対象とするリートの活用に関して、ガイドラインの策定等の環境整備を行うこととされた。
本稿は、実行計画等を受け、国土交通省として、関係省庁との連携の下、病院の用に供されている不動産の取引を行おうとする資産運用会社が、宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号。以下「宅建業法」という。)第50条の2等に基づく取引一任代理等の認可申請等に際して整備すべき組織体制(4)を示すとともに、リートと不動産取引を行う病院を開設し又は運営する者(医療法人の理事長のほか役員を含む。以下「病院関係者」という。)との信頼関係の構築、医療法等の規定及びこれに関連する通知の遵守等(5)を示すことを目的としている。

 2 適用対象

(1)対象とする不動産
本稿の対象とする不動産は、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5第1項に規定する病院(以下「病院」という。 )の用に供されている不動産(その一部を病院の用に供されている不動産を含む。以下「病院不動産」という。)である。

(2)対象とする宅地建物取引業者
本稿の対象とする宅地建物取引業者は、宅建業法第50条の2等に基づき取引一任代理等の認可を得て、リートの資産運用会社として病院不動産の取引を行う、又は行おうとする宅地建物取引業者(以下「資産運用会社」という。)である。

 3 適用時期

本稿の適用時期は、平成27年7月1日とする。なお、平成27年7月1日において、平成27年6月30日以前から引き続き病院不動産を運用対象としている資産運用会社に対する適用時期は平成27年10月1日とするが、資産運用を行うリートが平成27年10月1日より前に新たな病院不動産の取得を行う場合は、その取得の日を適用時期とする。

 4 資産運用会社が整備すべき組織体制

資産運用会社は、病院不動産の取引を行う場合、次のいずれかを満たすこととする。
a.一定の経験を有する重要な使用人の配置
病院不動産への投資業務、融資業務、デューディリジェンス業務若しくは不動産鑑定評価業務、病院開設者への融資業務若しくはデューディリジェンス業務、又は病院運営業務(以下「病院不動産への投資業務等」という。)の経験等により、医療の非営利性及び地域医療構想を含む医療計画の遵守という病院の事業特性並びに病院開設者以外の者が経営に関与することはできないということ(以下「病院の事業特性等」という。)を十分に理解し、病院関係者と調整を行うことができる専門的な能力を有する者が重要な使用人として配置された体制であること。
b.外部専門家からの助言
病院不動産への投資業務等の経験等により、病院の事業特性等を十分に理解し、病院関係者と調整を行うことができる専門的な能力を有する外部専門家から助言を受ける体制であること。
c.投資委員会等への外部専門家の配置
投資委員会(資産の取得・売却及び資産の運営管理に関する事項を審議し、又は決定する委員会)等において、病院不動産への投資業務等の経験等により、病院の事業特性等を十分に理解し、病院関係者と調整を行うことができる専門的な能力を有する外部専門家からの意見を聴取する体制であること。
d.その他
上記 a.から c.までに掲げる者に相当する専門家が関与する体制であること。

 5 信頼関係の構築、医療法等の遵守等(1)

例えば医療法において、医療法人は、その業務を行うに必要な資産を有しなければならないと規定されている等、医療機関の施設は自己所有であることが望ましく、必要とする土地、建物等を他の第三者から借りる場合においては、貸借契約書は適正になされ、借料の額、契約期間等の契約内容が適正であること等が求められていること、病院運営については医療法遵守のもと病院関係者が行うものであることを踏まえ、資産運用会社は、病院関係者や病院不動産の利用者等に不安を抱かせることのないよう、以下の(1)から(5)までの内容について、適切に対応すること。

(1)病院関係者との信頼関係の構築
・資産運用会社は、病院関係者に対し、リートの仕組みを十分に周知するとともに、緊密なコミュニケーションに基づいた信頼関係を相互に構築するよう努めること。
・賃貸借契約の履行等について、一方的な賃借料の引き上げ等が行われないよう、双方又は一方からの求めに応じて、 病院関係者と資産運用会社が話し合いを行うための体制を整備すること。
・資産運用会社は、病院関係者が地域医療計画達成の推進に資するため医療連携体制の構築に必要な協力をし地域において必要な医療を確保するという役割を果たすと医療法に規定されていることを十分に理解し、 都道府県等に対して病院不動産の取引に関して適切な情報提供を行う等の対応をすること。
(なお、都道府県等は、必要に応じ地域医療構想調整会議(医療法第30条の14に規定されている協議の場のこと)で説明することがある。 )

(2)医療法等の規定及びこれに関連する通知の遵守
資産運用会社は、自らの行為が医療法その他関連する法令(以下「医療法等」という。)の規定及びこれに関連する通知に抵触することがないよう留意すること。特に、賃借料が医療機関の収入の一定割合とすることは適当でないことに留意すること。医療法の規定に関連する通知としては、現時点で特に留意すべきものとして、次のようなものがある。なお、通知ごとに主な事項を記載する。
a.医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について(平成5年2月3日付総第5号・指第9号厚生省健康政策局総務課長・同指導課長通知)
・医療法第7条に定める開設者とは、医療機関の開設・経営の責任主体であり、原則として営利を目的としない法人又は医師(歯科医業にあっては歯科医師)である個人であること。(同通知第一の1(1))
・開設者が、当該医療機関を開設・経営する意思を有していること。(同通知第一の1(2)@)
・開設者が、他の第三者を雇用主とする雇用関係(雇用契約の有無に関わらず実質的に同様な状態にあることが明らかなものを含む。)にないこと。(同通知第一の1(2)A)
・開設者である個人及び当該医療機関の管理者については、原則として当該医療機関の開設・経営上利害関係にある営利法人等の役職員を兼務していないこと。(同通知第一の1(2)B)
・開設者である法人の役員については、原則として当該医療機関の開設・経営上利害関係にある営利法人等の役職員を兼務していないこと。(同通知第一の1(2)C)
・開設者が、当該医療機関の人事権(職員の任免権)及び職員の基本的な労働条件の決定権などの権限を掌握していること。(同通知第一の1(2)D)
・開設者が、当該医療機関の収益・資産・資本の帰属主体及び損失・負債の責任主体であること。なお、医療機関が必要とする土地、建物又は設備を他の第三者から借りる場合においては、
ア 当該土地及び建物については、賃貸借登記をすることが望ましい(病院に限る。また、設備は除く。)。
イ 貸借契約書は適正になされ、借料の額、契約期間等の契約内容(建物が未完成等の理由で契約未締結の場合は、契約予定の内容)が適正であること。
ウ 借料が医療機関の収入の一定割合とするものでないこと。(同通知第一の1(2)E)
・第三者から資金の提供がある場合は、医療機関の開設・経営に関与するおそれがないこと。(同通知第一の1(3)D)
b.病院又は老人保健施設等を開設する医療法人の運営管理指導要綱の制定について(平成2年3月1日付健政発第110号厚生省健康政策局長通知)
・土地・建物等を賃借している場合は適正な契約がなされていること。(医療法人運営管理指導要綱V管理2資産管理7)
・賃貸借契約期間は医業経営の継続性の観点から、 長期間であることが望ましいこと。また、契約期間の更新が円滑にできるよう契約又は確認されていることが望ましいこと。賃借料は近隣の土地、建物等の賃借料と比較して著しく高額でないこと。(医療法人運営管理指導要綱V管理2資産管理7備考)
c.医療法人制度について(平成19年3月30日付医政発第0330049号厚生労働省医政局長通知)
医療法人の施設又は設備は法人が所有するものであることが望ましいが、賃貸借契約による場合でも当該契約が長期間にわたるもので、かつ、確実なものであると認められる場合には、その設立を認可して差し支えないこと。ただし、土地、建物を医療法人の理事長又はその親族等以外の第三者から賃貸する場合には、当該土地、建物について賃貸借登記をすることが望ましいこと。また、借地借家法(平成3年法律第90号)に基づき、土地、建物の所有権を取得した者に対する対抗要件を具備した場合は、賃貸借登記がなくても、当該土地、建物の賃貸借を認めても差し支えないこと。なお、賃貸料については、近隣の土地、建物等の賃貸料と比較して著しく高額なものである場合には、(医療)法第54条(剰余金配当の禁止)の規定に抵触するおそれがあるので留意されたいこと。(同通知第一の6(2) )
d.医業等に関する広告の制限
資産運用会社は、病院に関する広告を行う場合、医療法第6条の5に規定されている事項(病院名、医師名等)に限定して認められており、医療広告に関するガイドライン(平成19年医政発0330014号厚生労働省医政局長通知、平成24年医政発0928第1号厚生労働省医政局長通知)等を遵守すること。


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